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2016年08月21日

第671回「LET’S DANCE」

 42歳になりました。20歳で門を叩き、白いヘアターバンをしていた彼が、20年以上経ったいまもなおテレビ画面のなかに写っているのは、ある意味奇跡。ひとえに彼の努力によるものもあるでしょうが、やはり、みなさんの支えによるものが大きいでしょう。たくさんの出会いによって、彼は、いまもなお、画面のなかで笑っていられるのです。

 いうまでもなく、この世に存在する、すべてのものに出会うことは不可能です。限られた世界のなかで、人は育っていきます。毎日顔をあわせる人、週に一度の人、疎遠になってしまった人。いろんな距離の人がいます。10年に一度会う人。これから出会うひと。一度きりの出会いだって大切です。一期一会。それらすべてが、大事なひかり。

 樹木がたくさんの光をあびて育っていくように、出会った光を浴びることで、人は成長していくのでしょう。成長した幹は、やがて、美しい景色を眺められる位置に到達します。ぐんぐん伸びて、いま、かつてより遠くまで見渡せる位置まで伸びました。

 ここからの眺め。自分の目で見たもの。自分が感じたこと。それこそが、「世界」なのでしょう。

 人生、なんだかんだ、楽しんだもの勝ち。どんな状況であれ、たとえそれが自分のイメージと違っていたとしても、目の前の現実を受け入れて、状況を楽しめる者が勝利する。重量挙げの選手で、成功しても、失敗しても、踊る人がいます。観客たちは、そのパフォーマンスに拍手喝采。もちろん、はかりしれない苦しみや、素晴らしい功績を納めているからこそ、できることではありますが、それを見ていると涙があふれそうになります。成功しようが、失敗しようが、最後は踊る。うまくいこうが、いくまいが、最後は笑ってダンスする。人生は、それでいいのではないのでしょうか。

 LET’S DANCE。成功とか失敗とか、その瞬間の判定は、あくまで瞬間のもの。それとは無関係に時間は流れてゆく。ならば、瞬間の判定に振り回されず、瞬間に引き止められず、時間の流れに乗っていたほうがいい。

 LET’S DANCE。音楽は、時間。人生という音楽のなかに飛び込んで、踊ればいい。身を委ねればいい。周囲の言葉や、過ぎ去った瞬間に惑わされず、前に進む。それができるものこそが、強い人間なのだと思います。

 LET’S DANCE。ただ、身を委ねればいいのです。なにも考えず、理屈のない、音の世界へ。それでは、ガーデンホールで待っています。

2016年08月21日 18:00

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