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2014年12月29日
第581回「サイン会を終えて」
僕がはじめてサイン会を行ったのは、いまから20年近く前。「ミツバ学園中等部入学案内」という本を出版したとき。たしか、「入学式」と「父母説明会」という名目で、都内で二回、開催しました。写真撮影の有無や、そのときにどんなやりとりをしていたのかは、ほとんど覚えていませんが、特典となるステッカーを貼っていたP203というドコモのケータイを使用していたことは鮮明に覚えています。
それから今回のアルバムまで、どれくらいしたのでしょう。前述の「ミツバ学園」があまりにシュールすぎたので、その後、慌てて「あるあるネタ」に切り替えて作成したのが「休んだ日に席替え?!」、「ひとんちで充電すんなよ!」、「小野妹子は男」のあるある三部作。特に「ひとんちで充電すんなよ!」のときは、全国の書店でサイン会をしていました。というのも、当時はもうDJをはじめていたので、地方のクラブイベントとセットにしていたのです。夜DJをして、翌日サイン会という流れ。それこそ、クラブでも即席サイン会をしていましたが。地方によって、整理券の動きが良かったり鈍かったりして、必ず不安がつきまとうものですが、それでも、一冊でも多くの人の手に渡って欲しいという想いでサイン会を行ってきました。
それ以降も、全国でとはいかないまでも、書籍やアルバム、DVDをリリースする度に、極力サイン会をしてきました。そういえば、ヴィーナス・フォートでの例の事件もありました。僕がプロデュースしたコスメティックスという3人組ユニットの握手会を兼ねた、「ふかわりょうの大切な話」。この場で、重大発表をするということでたくさんのマスコミを呼んでいたのですが、迎えた当日、火災による停電でまさかの休館。もちろんイベントは中止。復旧を待ち望んでずっと待機していた真っ暗なヴィーナス・フォートから外にでたときの「家族連れやカップルで賑わう日曜日のお台場を照らす太陽のまぶしさ」はいまでも忘れられません。「大切なのは電気」だと痛感した後日、同場所で「大切な話」を開催することができたのですが、僕が、ヤフーニュースにはじめて載ったのも、ごきげんよう大賞年間MVPを獲得できたのも、この「停電」のおかげでした。
「ジャパニーズ・スタンダード」や「風とマシュマロの国」を出版したときは、サイン会のあとに、オフ会のようのものもありました。前者のときは吉祥寺だったので井の頭公園で、後者は渋谷だったので代々木公園で、みんなで本を手にして記念撮影をするだけですが、なんともいえないドキドキがありました。 「ロケショー聴いています!」「5時夢観てます!」「きらクラ聴いています!」「ブログ読んでいます!」 久しぶりにサイン会をしたくなったのは、直接、言葉を交わしたかったから。直接お礼を、僕を支えてくれている人に、ありがとうを、言いたかったから。ファンの皆さんの支えがなかったら、今日のサイン会はもちろん、こうやってアルバムをリリースすることさえもなかったでしょう。また今回、みなさんの言葉を直接きくことで、僕の音がみんなに届いていることを実感できて、さらにエネルギーをいただきました。この感謝の気持ちは、間違いなく、次へのエネルギーになるでしょう。 ちなみに、肝心のサインですが、ミツバ学園の頃から変わっていません。マッシュルーム時代に、小さな顔のマーク付きだったから、今回もときどき、マッシュルームの顔をつけてしまいました。
サイン会での握手は、やはり、特別な握手でした。次がいつになるか、あとどれくらいやるかわかりませんが、必ずどこかのタイミングで。それまで、みんなの人生を支えられる作品を作っていたいと思います。
2014年12月29日 16:00