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2011年06月12日
第449回「シリーズ番外編人生に備わっている力・反動力」
若い頃、散々不良をやっていた人が社会に貢献したいとボランティアをはじめたり、運動に興味がなかった人がいきなりマラソンに目覚めたりと、なにがきっかけか、人が変わったかのように生き方や生活スタイルが一変することは珍しいことではありません。こういった「目覚め」の現象を学会では「ウルトラソウル」と呼び、かつて、とある昭和生まれの男が、ずっと嫌いで避けていた水泳に、四十を前にして突如はまりだし、日常生活どころか、それを生涯の伴侶としたことから、そう名付けられました。彼いわく「やらなかったことがエネルギーになった」とのこと。
たしかに、もし彼が中途半端に水泳をやっていたら、ずっと中途半端なままだったかもしれません。やらないことがエネルギーになる。やらない間にエネルギーが蓄えられる。あとはきっかけだけで、それさえあればダムの放水のように、勢いよくエネルギーは流れ出るのです。
それは矢を放つ弓のように、一旦は引っ張られても、それが反動となって逆の向きへの力となる。この矢を放つ力こそが今回の反動力なのです。ちなみにこの力がいつもの、「必要な力」ではなく「備わっている力」になっているのは、必ずしも必要というわけではなく、お好みであればお使いください、というものだから。ただ、この力はとても持久力のあるクリーンなエネルギーで、これを利用しない手はないのです。
もちろん、人生という長いスパンのみに当てはまるものではなく、もっと短期間、一日の中でさえ発生させることもできます。ずっと我慢していた煙草を仕事が終わってから吸ったら格別なのも一種の反動力かもしれません。社会全体として捉えてみれば、ファッションや流行などで顕著に見られるように、時代は反動力によって創られているとも考えられます。世界は反動力で動いている、といっても過言ではない程、人を動かすエネルギーになっているのです。
いたるところで見られるこの力を活用するには、なんらかのきっかけが必要で、それが反動力を使用するスイッチになるのですが、たとえきっかけがあってもスイッチを押す気持ちを妨げるものがあります。それは年齢です。年を気にしていまいち踏み込めないケースがありますが、正直、年齢を気にしたら負け。そこに屈することほど人生もったいないものはありません。思い立ったときこそが「その時」、そこでいろいろ考えて躊躇する必要はないのです。
また、上記の反動力はポジティブなものですが、ときにネガティブなそれもあります。普段、営業スマイルばかりしている人が、家庭で奥さんに八つ当たりをしたり、学校では真面目で優秀な生徒があるとき信じられない罪を犯してしまったり。エネルギーというよりはストレスを溜めてしまっている場合もあるでしょう。社会的に負の方向にならないように注意しなければなりません。
それらを踏まえたうえで、この反動力というものをうまく活用できれば、人生はより楽しくなります。彼の名誉のために言うわけではありませんが、昭和生まれの男は、水泳が嫌いだったとはいえ、決して運動が苦手だったわけではありません。むしろスポーツが大好きで体育祭などで輝くタイプ。陸上部に所属していた頃はかなりの運動量をこなしていたそうです。だからもしかすると、そのときの下地があるから、そのときの気持ちが復活して、無性に運動したくなったとも解釈できます。三つ子の魂百までというように、反動力につながる種がまかれていたのです。そういう意味では、なにもしないことからの反動力と、かつてしていたことが時を経て再燃する反動力の、ふたつのパターンがあるのかもしれません。これにはまだまだ研究が必要です。
子供が大人になる過程で、人は社会という枠組みに糸で操られ、「必要とされる人間」、それを社会人だと思って生きています。しかし、その殻を突き破ることで本当の自分に出会うのかもしれません。社会人として頭がいっぱいだった先の自分との出会い。自分のカタチ。それは社会から逸脱するわけではなく、社会という波にうまく乗ること。社会に必要とされながらも、自分の生き方を見出すこと。そのときはじめて、人生を謳歌しているのかもしれません。そのためにも、人生に備わっている力「ウルトラソウル」を利用してみてはいかがでしょうか。
2011年06月12日 00:27
コメント
僕はふかわさんがこのまま水泳続けると恐らく今年の冬には風邪なんか寄せ付けないような体になるように感じてます。40代前のウルトラソウルは男が50代になる頃に再び女性にもてる時期があるといわれる時に、ふかわさんの魅力に花を添えるように思います。僕は40代半ばで、ウルトラソウルしましたが、やっぱり体は動かさないと駄目ですね!
投稿者: 下町の根強いふかわファン | 2011年06月12日 07:30
水泳を哲学ですね。「ウルトラソウル」、奮い立たせる言葉です。気骨の精神や、夢が叶えられそうなイメージを想像させます。備わっている反動力にはきっと治癒力みたいな、プラスのパワーが潜んでいるような気がします。憧れ(かどうかわかりませんが・・・)の逆三体型だって、夢ではありませんよ。過去に運動していた場合、筋肉の戻り方は早いのですから。こういう伴侶を、みつけられるかどうかで人生がどのくらいばら色に輝くかが、決まるような気がします。ばら色と言っても、自分自身が望む幸福度みたいなランクのことですが・・・。
後々、反動力で何かを始めることができる。そう考えると、悶々とする日々も捨てたものじゃない、人生に奇跡は何度でもって思えます。爆発させるエネルギーをとっておくということですよね。反動力は強ければ強いほど良いということに。通過点ぐらいの気持ちでいることが大切ですよね。年齢のリスクは、知恵があれば大丈夫! ここはポジティブに考えたいですね。ストレス発散法のヒントは、ふかわさんのブログのなかにありますものね! 反動力を使うという、本質をついた鋭いテーマ、奥が深いですね。
毎週「ロケショー」を聴いて、生きるためのキーワードを探しています。いつも、ハートにグサリ! 絶対音感で届くメッセージをありがとうございます〜!
投稿者: アトリエのピンクッション | 2011年06月12日 18:15
「夢じゃないあれもこれも」
…確かにこれから始めようとするあれもこれもは、
中々勇気がいるものです。
それを始めるきっかけを作る事もそうですが、始めてから自分の中の潜在的な何かを発見するももかなり難しい事に思えます。
さらにはその何かが今後の自分の人生において必要不可欠なものかどうかも今の時点では全くわからない。
私も始めたい事がいくつかあります。ロケ兄の言うように、年齢という高い壁が邪魔をしています。年齢を問わずして始められるものであれば良いですが…私のそれはそうとう年齢がネックとなっています。もうそれは諦めなければならない事のひとつでもありますが、どうしても始めたいという熱意も正直の所今は中途半端です。
変わり映えのない毎日を何かのきっかけで新鮮なものにしたいと思うのですが…。
私も水泳始めようかな(笑)しかし、4年前くらいに水泳を始めたら、私は田中雅美選手のようなガンダムのような肩と鳩胸になってしまって、それ以来止めました…。
投稿者: ラブ伊豆オール | 2011年06月12日 20:02
反動力。
(なんで「ウルトラソウル」なんだろう?)と思っていたのですが(水泳...あ!)と結びついて思わず笑ってしまいました。
反動力か分からないですが、わたしは数年前まで超ロングヘアーでした。切りたいな〜と思いつつ周りの似合わないの声になんだか躊躇して切らずにいました。切ったら伸びるまで時間もかかりますし、今じゃなくても...そんなふうに思っていました。
でもある時「見た目がなんだ!とにかく今、切りたいんだから切っちゃおう!」周りの反対を押し切り、自分を信じてバッサリいったのです。切りたい理由はほかにもいくつかありましたが。
そこから、わたしも中学生以来のショートカットに新しい魅力を感じてあらゆるショートを楽しんできました。なんでもっと早く切らなかったのかなと思うことさえありました。
そして今(髪型とは違うことですが)ちょうど、この反動力を利用して将来の道を自分なりに歩き出そうとしているところです。
反動力。これを自分のプラスエネルギーに生かして進んでいきます。
投稿者: フィンランドの雨 | 2011年06月13日 05:03
今ちょうど反動力が働いているところです。
先の事は分かりませんが、これは継続力にも繋がるところだなぁと思いながらの学習です。
このまま自信につなげたい…と思いますが。
ウルトラソウル、とつぶやきながら。
投稿者: ひょう | 2011年06月18日 17:21