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2009年07月12日
第368「シリーズ人生に必要な力その12ギャップ力」
外見というのは人を魅了するものとしてもっともポピュラーかもしれませんが人間の魅力というのは勿論それだけではなく、やさしいとか話が面白い、知識が豊富、お金持ちなど、さまざまな要素があるものの、それらの魅力は誰でもが手にすることができるものではなく、一見不平等とも思えるくらいに生まれ育った環境や運などによって個人差が生じるのものです。誰もが美貌を手に入れられるわけではないし、誰もが運動能力を身につけられるものでもありません。しかし、様々な魅力が存在する中で誰もが手に入れることのできるものがあります。それは「意外性」です。ときに「ギャップ」と呼ばれるその要素は、すべての人間が獲得できる魅力なのです。
漠然と感じつつもあまり言及されませんが、人間は「意外なもの」に惹かれる生き物です。刺激を求めるからなのかどうかはわかりませんが、意外なものに目がとまり、意外な現象に立ち止まるのです。この意外性をコントロールする「ギャップ力」が人生においてとても有効なのです。
「ギャップ力」それは通称「的場浩司力」と呼ばれるもので、怖そうなお兄さん的イメージがあったのにここへきてスウィーツマニアであることを前面に押し出してきた俳優の名に由来するのですが、従来のイメージを時代の流れに沿って覆すと人々は意外性に心を揺さぶられるのです。怖いお兄さん的なイメージの俳優がバイクを乗り回していても、女性が甘いものに目がないと言ってもあまり周囲は関心を示さないのに対し、コワモテの表情が甘みに溶けていく意外性に人の心は動くのです。
昔から存在するヒーロー像というのは、日常生活ではだめな人が実はスーパーマンだった、みたいなことはまさに人々がそういったギャップを魅力に感じるからこそです。ヤンキーたちが更生してなにかをなしとげたりするドラマが流行するのはまさに「ギャップ力」を利用したもので、これはある意味、世の中をも動かす力といえるかもしれません。
日々田畑と向き合っている人たちや日々山々のゴミを拾っている人たちこそ本来スポットを当てられるべきですが、突然渋谷の109にいるようなギャルたちが農業やゴミ拾いをするとマスコミが動きだすのはそこに「意外性」があるからで、どっちが素晴らしいなんて議論の余地もなく、農業や山のゴミの現状を伝ええるには後者のような意外性がないとなかなか世の中に伝わらないのも現実なのです。
では、この「ギャップ力」を身につけるにはどうしたらいいのか。まず自分にとって意外なものとはなんなのかを考える前に自分とはどんなイメージを持たれているのかを知る必要があります。すべてにおいてですが、自分を知ることが大切です。なので会社の同僚やクラスメイトなどに自分のイメージを訊ね、普段どんな風に思われているか、どんな印象を持たれているかを確認します。多少厳しい意見でも決して腹を立ててはいけません。むしろ正直に言ってくれたことに感謝すべきであって、気をつかっていいことばかり言われてもまったく意味がないのです。たとえ傷つけられても「キミのおかげで自分がどう見られているかわかったよありがとう」と思わなければならないのです。なので無記名式のアンケートが有効かもしれません。こうして収穫した自分の印象やイメージこそこれからあなたが身につける魅力の原点であり跳躍するための踏み切り台になるのです。
自分にとって意外なものとはなにか。たとえば、ものすごく真面目という印象だった場合、簡単にいえば不真面目な一面を持てばいいのです。会社ではまじめ人間でもいざ休日にはサーフィンというちょっとワイルドな面を持っていたり、逆に普段はテキトーでなよなよしていてもいざというときには目つきが変わって男らしさが垣間見えたり。ただ、サーフィンをあまり真面目にやっているとそれは意外性にはつながらないのであくまで遊びでサーフィンをやっているのが理想的ですが。
会社では部下に慕われている部長が家に帰ると奥さんの尻に敷かれていると人間的でかわいらしく思えたり、お年寄りに席をゆずりそうな人よりも、なんだかチンピラみたいな人が譲ったほうがやけにやさしく見えたり。怖そうな人がちょっとやさしさを見せるだけで通常の100倍くらいやさしく感じられるのはまさに「ギャップ力」のおかげで、いわば、テレビではのび太のことをいじめてばかりなのに大きなスクリーンの中だとのび太を助けるジャイアンこそギャップ力の鏡といえるでしょう。そこにギャップがあると、ときに涙がでてしまうほど、人の心は動くのです。
だからときおり、この「ギャップ」が悪用されることもあります。なにも事件が起きていないとき、このギャップを利用してさもなにかが起きたかのように伝えられることがあります。意外性だけを追求するがあまり、それに気をとられて、意外性ばかりが売り物にされてしまう。それが、怖そうな人がお年寄りに席を譲った、というタイプのギャップばかりであればいいのだけど、ネガティヴなギャップばかりが取りあげてられているのが現状で、そういった意外性の乱用にも気をつけないといけません。
また、ギャップがあると人間としての奥行きがでてくるからといって、意外性を追求しすぎて本来の自分を見失っては意味がありません。自分に嘘をついてまで身に着けるものではなく、あくまで自然体が結果的に意外性を生んでいることが理想です。さらに、意外性のほうばかりに重点をおきすぎて軸となる方がおろそかになってもだめです。いくらサーフィンがうまくても会社でちゃんと仕事ができなければまったく効果はないのです。両者をバランスよく進めていくことによって、ルックスなどのひとつの要素よりも賞味期限が長く、安定感のある魅力を手に入れることができるのです。「ギャップ力」これが人生に必要な力なのです。
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2009年07月12日 12:51
コメント
軸(土台)をしっかり持って、賞味期限の長い人間になれないといけないですね。
ふかわさんは厳格で堅いのが軸で
お茶目で面白くて、柔らかいところがギャップかなぁ?あ、逆かな?。
投稿者: 咲子 | 2009年07月12日 20:45
なるほど、面白いです
次回も期待してます
またおじゃまします
投稿者: さいと | 2009年07月14日 20:36
応援してます^^/
投稿者: ああ | 2009年07月18日 08:50
いつもNYから拝見しています。
梅雨から真夏へ突入の今、どうぞ御身体をお大切にご活躍下さい。
これからも読ませて頂きます。
投稿者: kiwa | 2009年07月19日 09:55