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2008年12月14日

第341回「LOVE IS ALL」

 なにをもって平和とよべるかわからないから日本が平和だなんて軽々しく言えないし、就職氷河期や金融不安という言葉をよく耳にするようにいつだって社会はなんらかの問題を抱え、そんな社会に人々は漠然とした不安を抱き、不満を抱え、違和感を覚えながらに日常生活を送っています。不安を煽るという方法でしか関心を集めることができないメディアはまるで世の中が暗黒の世界に突入するかのような表現をするけど、景気が上昇しようと下降しようとそれもこれも見える世界の話で、見えない世界が豊かであれば別にそんなに憂鬱になることもないのに人々は物質主義に溺れているからキャスターの言葉や新聞の文字に一喜一憂してしまうのです。なにが本当の豊かさなのかを知らないからなのか、そういったことを国民に教えてくれる政治家は見当たらず、結局自分のことしか考えていないといわれても無理もなく、彼らのしていることは足の引っ張り合い。彼らがそんな風だからかいつのまにか日本人は揚げ足をとることに躍起になり、空気が読めない人は排除され、いいところを見つけようとせず気に食わないところばかりを探し、日本には心の広い人がいなくなってしまいました。しかも0と1とで構成される世の中になってしまってからというもの、そのちょうどいい中間地点くらいの柔軟な考え方ができなくなってしまい、まるで世界を白か黒かにはっきり分けなければいけないかのような窮屈な社会になっています。そうして人々は心の余裕を失い、便利さに埋没した生活の副作用から、物事を長期的にみることや気長に待つことを放棄し、その瞬間瞬間でしか物事を判断できなくなりました。何年とかけて根を張り年輪を重ねていくことの重要性を忘れてしまいました。
 そうしてできあがった足の引っ張り合いの国は、「あの国の文明は発達しているけど、性格悪いよね」といつか言われそうで不安。そもそも、引き摺り下ろされた人が悪党ならともかく、最近の傾向はそれほど悪くない人がそのターゲットになることで、むしろ悪ではなく本気で頑張っている人。「本気で頑張っている人が、本気で頑張っていることを妬まれて、本気で頑張らない人たちの手によって引き摺り下ろされてしまう」のです。そうして残った人たちは本気で頑張れない人たち。頑張り方がわからない人たち。そんなことの繰り返しで社会は好転するわけがありません。
 そんないまの世の中、なにが足りないって、愛が足りないのです。みなさんもうすうす感じているでしょう。どんなにお金があってもどんなに権力があっても愛が足りなかったら心は満たされません。逆にいうと、なにもなくっても愛があれば心は満たされるのです。たしかに、見える世界の豊かさも必要です。でも、どちらかというと、こっちのほうが大切なのです。世の中に起きる事件の大半は愛の欠如によるものです。幼少期に虐待を受けていたり、人との関わりを避けていたり。愛が欠如しているから、暴力的な埋め合わせをしてしまうのです。愛の注ぎ方も愛の受け止め方もわからずに大人になってしまう。愛というととても胡散臭くきこえるかもしれませんが、言葉を交わすだけで、それは輸血と同じ様に愛は注がれるのです。だから本当は、「嫌いにも愛があり、憎しみにも心がある」のです。このことを知っていれば、些細なことに腹を立てたり傷つくこともなくなります。すべてを受け止め、寛大な心になれるのです。悪い所ばかり探していたら、気付いたときは自分がそんな顔になってしまうものです。人のいいところを見つけていたら自然と自分の顔がそうなるでしょう。顔は、世界に対する自分の心が露呈する場所なのです。どんなものにも愛を持って接すれば、自然と愛に満ちた人間なるのです。
 そんな想いからはじまったユーザー育成型アイドル「COSMETICS」プロジェクト。来週からいろんなサイトで配信がはじまるので、よかったら聴いてみてください。皆さんの愛を彼女たち、そして世界に。

1.週刊ふかわ |2008年12月14日 09:13