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2008年08月03日

第326回「ちょっと一息コーヒーブレイクその1ロックな生き方」

 夏といえば海水浴に花火大会、バーベキュー。そして忘れてはいけないのが音楽フェスです。ロッキンジャパンにフジロック、夏は日本のいたるところでフェスが開催され、海外からもビッグアーティストが参加します。僕も何度か出場させてもらいましたが、汗びっしょりになってもうどうにでもなれって感じがとても心地よく、そこには体感した者のみが味わえる、太陽と音に包まれた夢のような「夏」があるのです。
 数々の有名なロックミュージシャンを一度に見られるのもフェスの醍醐味ですが、間近で見ていても皆、どこか世間離れした独特の世界をもち、文字通り「ロックミュージシャン」たる雰囲気が常に漂っています。そもそもロックは歌謡曲と違い、社会への反発心から生まれた音楽で、体制に反発する反骨精神が音や言葉となって表現されているわけで、それだけにロックミュージシャンのかっこよさというのは単に音楽だけではなく、その人の型破りな生き様、ライフスタイルであって、それが数分の曲に氷山の一角として反映されているわけです。一体、その水面下にはどんな氷山があるのかと謎に思わせることがアーティストには必要で、だからこそ言葉や音が説得力を持ち、皆耳を傾けるのです。
 だからといって、誰もがロックミュージシャンになれるかというとそうではなく、僕たちが無理して彼らのような生き方をしても大ヤケドをしてしまいます。意識してなれるものではないのです。しかし、いつも礼儀正しい社会人としてまっとうな人生を歩んでいるのもなかなか窮屈で息苦しいもの。ときには彼らのような反骨精神も必要なのです。では、みんなが憧れる「ロックな生き方」とは具体的にはどのようなことなのでしょう。これから代表的な「ロックな生き方」を挙げるので、それらを参考にしてロックミュージシャンたちの「ロックな生き方」を自分の人生に取り入れてみるのはいかがでしょうか。
 ロックな生き方その1 歯医者でどんなに痛くても手を挙げない
 ロッカーたる者、歯の痛みをその都度報告しているようではその名を汚すことになります。どんなに歯の中をほじくられようとも、どんなに神経を刺激されようとも、どんなにあの音が響こうとも、ひたすら耐え抜くことがロックなのです。
 ロックな生き方その2 保険証を使わない
 国民健康保険などに守られているようでは真のロッカーと呼べません。律儀に保険証を提出する矢沢さんなんて見たくないのです。ロッカーたる者、国の負担をあてにしているようではダメで、たとえ風邪をひいても、いくら病院にかかっても、決して保険証に頼らない、そんな生き方がロックなのです。
 ロックな生き方その3 パピコを分割しない
 企業の思惑にはまっているようでは反骨精神もヘチマもありません。冷凍庫に残った半分を保管している清志郎さんなんて見たくないのです。いくら目の前に友達がいようとも、あとで食べようと思っていても、片方が溶け始めていても、決してパピコを二つに折らない、それがロックなパピコの食べ方なのです。
 ロックな生き方その4 楊枝を使わない(ピノを食べるとき)
 プラスティックのかわいらしい楊枝がついてるからといって、そんなものに依存しているようでは真のロッカーとは呼べません。「やったー!赤の楊枝だ!」と楊枝を集めている桜井さんなんて見たくありません。ロッカーたる者、楊枝なんて使わずに、指をぶっ差して右手すべてピノで埋めるくらいでないとだめなのです。
 ロックな生き方その5 コーンフレーク・バームクーヘンあたりは牛乳なしで
 時に、体中の水分をすべて奪うバームクーヘン。だからといって、牛乳をこまめに含みながらバームクーヘンを食べる降谷さんなんて見たくありません。ロッカーなら、バームクーヘンやカステラ、コーンフレークやきなこ棒も、牛乳なしで食べなくてはならないのです。ロッカーはケロッグに負けてはいけないのです。
 ロックな生き方その6 カップラーメンはお湯なしで
 チラチラ時計を見ながら、カップの上に箸を置いて、3分経つのを待っているようではいつまでたっても破天荒な男にはなりません。真のロッカーなら時間なんて関係ないのです。というか、お湯すら入れないのだから、3分待つ、待たないの問題ではないのです。あなたがロックな生き方をしたいのであれば、お湯なんかで麺をふやかすのではなく、「意外といけちゃうよ」と、バリバリ食べてしまいましょう。それでこそロックなカップ麺なのです。
 ロックな生き方その7 サイドブレーキをあげたまま走行
 サイドブレーキをあげたままにしていることに気づき、慌ててブレーキを降ろして後悔の念に押しつぶされそうなっているようではロッカー失格です。たとえサイドブレーキがあがっていても、いくら走行に重みを感じていても、そんなことに動じず、お構いなしに走ってしまう度量が必要なのです。ボンネットから煙がでていようが、関係なく突き進むのがロックな生き方なのです。
 ロックな生き方その8 窓全開のまま洗車機突入
 ロッカーたるもの、その豪快さがなければ誰もついてきません。常に破天荒な行動が観衆を魅了するのです。しっかり窓が閉まっているのをチェックしてゆっくり侵入し、洗車が終わるのを外で待っているようではカリスマ性もなにもありません。「こうすれば中も洗えちゃうでしょ!」と、窓全開にして洗車機に突入し終わるのを待つ、これがロックな洗車なのです。
 ロックな生き方その9 電波状況に左右されない
 「え?なに?ちょっと電波悪いんだよね...きこえる?え?ちょっと電波がさぁ...そっちじゃないの?」なんていいながら遠ざかる矢沢さん(2周目)なんて見たくありません。いくら電波が悪くとも、相手の声が途切れていても、圏外と表示されていても、ロッカーたるもの、会話をやめてはいけないのです。
 ロックな生き方その10 ケータイの修理を違う会社に出す
 ドコモだからといって、いちいち購入したところやほかのドコモショップにいくようではロックの名を汚すことになります。真のロッカーは世間のケータイ会社競争を超越した存在なのです。だからたとえドコモのケータイであろうと、ソフトバンクやau、それこそ区役所や美容院、パン屋さんに「ちょっと壊れちゃったみたいなんだけど」と持っていくくらいの反骨精神がないといけないのです。
 ロックな生き方その11 回転寿司に行ってひとつもとらない
 回転寿司に来たからといって、目の前を通り過ぎるネタにいちいちはしゃいでいるようではロッカーとはいえません。「大将!ビッグマックないの?」くらいの反骨精神が欲しい所です。
 ロックな生き方その12 リーチは当然のこと、ビンゴしたことすら言わない
 やはりロッカーは、常になにを考えているのか、どんなことに喜びを感じるのか、謎に包まれていないといけません。簡単に感情が露呈するようではロッカー失格なのです。リーチやビンゴくらいではしゃいでいては、アーティストとしての神秘性が薄れてしまうもの。出てきた数字とは関係なく、ただ自分の好きな数字を開ける、それがロックなビンゴゲームなのです。
 ロックな生き方その13 エレベーターで押した階で降りない、バスの降りますボタンを押しといて降りない、タクシーをとめておいて乗らない、信号の押しボタンを押しといて渡らない、「俺、窓側!」と言っておいて一切景色を見ない
 予想通りの行動をした瞬間、ロッカーとしての生命は絶たれたと思っていいでしょう。ロッカーたるもの、常に一般の予想を超えていなくてはならないのです。エレベーターで5階を押したからといって5階で降りるようではロッカーに値しないのです。5階を押したにもかかわらず7階で降りて、本来行きたかった総務部がある5階へは階段を使って降りる、それくらいのパフォーマンスが必要なのです。
 ロックな生き方その14 DVDでなくビデオのほうを借りる、しかも見ない
 はやり物に流されているようではロックな生き方とはいえません。ロッカーは、時代とは関係なく、自分のスタイルを貫くものです。いくらDVDが主流になろうとも、ブルーレイのCMをやろうとも、実際はVHSを借りる、しかも一切見ない、これがロックなレンタルビデオといえるでしょう。
 ロックな生き方その15 ドライブスルーで注文しておいて受け取らない
 散々注文したものの、レジで停止せずに通過していく。大声で呼び止められたら、「気が変わったから」と去っていく。これがロックなドライブスルーなのです。
 ロックな生き方その16 残り物を「これお土産用に包んでください」と言って受け取らずに帰る、ジーンズの丈直しをしてもらって取りに行かない、焼肉で網代えてくださいと言っといてデザートを頼む
 非ロッカーなら意図的に計算して演じなければならないことも、真のロッカーはいとも簡単に成し遂げてしまいます。ロッカーはその生き様、日常すべてがパフォーマンス、エンターテイメントになっているのです。ロッカーの辞書に、常識という言葉はないのです。
 いかがでしたでしょうか。まだまだ挙げればきりがありませんが、ある程度わかっていただけたんじゃないでしょうか。普段はおとなしい僕たちも、ロッカーたちを見習って、ときにはロックミュージシャンのように「ロックな生き方」をしてみるのもいいかもしれません。そうすることで、より人生が楽しくなるのです。ただし、「ロックな生き方」は一歩間違えると単なる「迷惑者」になるので注意してくださいね。
 
P.S.:
来週、再来週はお盆休みということでお休みです。あと、8月24日(日)15時〜星野書店(名古屋近鉄パッセ店)で「ジャパニーズ・スタンダード」のサイン会を行いますので、お近くの方はぜひ見に来てください。

1.週刊ふかわ |2008年08月03日 09:22