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2007年12月16日
第298回「アイノウタ」
「ロケットマンに曲をお願いしたいんですけど」
そんな依頼を受けたのが今年の10月頃のこと。僕もいつか来るだろうと心の中でひそかにスタンバイしていたものの、それがこんなにも早く現実になるとは思っていませんでした。
「スケジュール的にどうかな...」
本当は即答でオッケーしたいものの、そこでテンションをあげると安く見えてしまうので、露骨にガッツポーズをせず、あくまで平静を装っていました。ただ、実際にもそのときの僕は、いろいろとやらなければならない課題が残っており、ましてや某深夜番組ではなにも追い込まれていないのに勢いで札をあげてしまったたために、結果4人に曲をかかなければならない状態になっていました。だから、むやみに受けるとのちのち大変なことになることもわかっていたのです。それでも、来るものを拒めない僕の中に、ロケットマンへの依頼を断るという選択肢はありませんでした。
「ちなみにだけど、ほかにはどんなアーティストがいるの?」
一応、ほかに参加する方たちの名前をきくと、それはそれは錚々たるメンバーが名を連ねていました。しかしそれが僕のハートに火をつけることになりました。
「よし、やろう!」
こうして、来年に発売される鈴木亜美さんのアルバムに参加することになったのです。
「すげぇな、これがavexかぁ...」
というのを絶対に表情に出さないようにしながら、スタッフにフロア奥の会議室へと案内されました。
「すげぇな、これがavexの会議室かぁ...」
さすがレコード会社の会議室。我がコロムビアレコードと比べるわけではありませんが、やはり揃っているものがどことなくバブリー?です。でも決してその感情を顔にはだしません。そして、まもなく、鈴木亜美さんが到着するとのことでした。この日、二人で打ち合わせをして、楽曲の方向性を決めておこう、というものでした。
「すげぇな、鈴木亜美ちゃんだ...」
しばらくして、亜美さんが会議室に入ってきました。以前、ラジオにゲストできてもらったことはあるものの、ラジオのブースで会うのと、レコード会社で会うのとは違います。極端にいえば、亜美さんの家に招かれたようなものです。でも、決して表情にはだしません。出してないつもりでも、少し出ちゃっていたかもしれませんが。
「じゃぁ、僕はもう大丈夫です」
おそらく10分もかからずに、打ち合わせは終了しました。方向性の違いで決裂したわけではありません。しっかりと、かたい握手を交わし、お互い納得のいくカタチで終了しました。というのも、僕の中ではすでに曲ができていたのです。頭の中ですでにイメージがあり、亜美ちゃんが歌っていたのです。Mステで歌っていたのです。ただ、唯一、打ち合わせで確認したいことがありました。
「もう一人、ラッパーをよんでもいいですか?」
僕は、このことだけを確認したかったのです。
「亜美さんのほかに、男性ラッパーに参加してもらいたいんです。それがオッケーであれば、僕からはなにも確認することはありません」
そこでNGだったら会議は踊っていたかもしれません。それこそ、恐いマネージャーが登場して、
「は?いらんやろ。なにいっとんねん!おい、こいつ調子のってるからみんなでやっちまえ!」
みたいなことになっていたかもしれません。でも、亜美さんはこう言ってくれました。
「もう、お好きなようにしてください」
その言葉を心に刻み、デモを仕上げ、あっという間にレコーディングの日が訪れました。恵比寿のスタジオでのレコーディングは、風邪をひいてマスクをしながらではあったものの、順調に進み、すべての作業が無事に終了しました。それが11月末のことでした。
こうして、鈴木亜美joins ROCKETMAN feat.YTRの曲が完成しました。こうやって表記するとなにがなんだかわかりませんが、簡単にいうと、ロケットマンの新曲なわけです。YTRが誰かはお楽しみです。この「アイノウタ」が世界に届きますように。
1.週刊ふかわ |2007年12月16日 09:36
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