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2007年09月09日

第284回「ロケットマン、遂に映画化!!」

早いもので、ロケットマンのファーストアルバムがリリースされてから9年もの月日が経とうとしています。ということは来年で活動10周年になるわけです。それに先駆けてではありますが、この度、なんとロケットマンが遂に映画化されることになりました。その名も「ロケットマン!」です。ピーナッツで映画音楽をやったことはあるものの、まさかロケットマン自体が映画になるなんて夢にも思いませんでした。やっぱり続けてみるものです。公開は今秋10月、都内をはじめ、うまくいけば全国展開もありえるそうです。全国の巨大スクリーンにロケットマンの文字がでるなんて、想像しただけでぞくぞくしてしまいますが、公開前にひとつだけ皆さんにお伝えしなければならないことがあります。それは、僕は一切出ていない、ということです。
「なにこれ?!」
数ヶ月前、マネージャーが一枚のチラシを渡してきました。
「映画です」
「映画?どういうこと?」
「この秋公開される映画です」
「この秋公開って、もうすぐじゃん」
「そうです」
「そうですって、まだなにも撮ってないよ、どういうこと?」
「もうできてるんです」
「できてる?」
「はい、タイの映画なんです」
「タイ?!」
「はい。タイの映画が日本で公開されるんです」
「このタイトルで?」
「そうです。ただタイでは違うタイトルなんですけど、邦題がこうなったそうです」
タイトルロゴの雰囲気は、懐かしいくらいファーストアルバム時のロゴと一致していました。
「完全にロケットマンだ…で、どうしたらいいの?」
「コメントが欲しいそうなんです」
「コメント?」
「はい、ロケットマンとして」
「コメントっていってもなぁ…」
そのパンフレットを見ると、まるで自分の映画ができたかのような錯覚におちいるほど、完全に「ロケットマン」の映画でした。
「ちょっと見てよこれ」
「なんすか…」
さっそくそのパンフレットをラジオのスタッフに見せました。
「すごくない?」
「え、どういうことですか?」
「タイの映画」
「タイの?」
「そう。ほら、いままでもそういう映画あったじゃん。あの流れだと思うんだけど」
「そうなんですか。っていうか、完全にロケットマンじゃないですか」
「そうなんだよ。向こうでは違うタイトルだったみたいなんだけど、邦題がこうなったみたい」
そのパンフレットをスタッフが囲んでいました。
「それにしても少しは気にして欲しいよな、日本のロケットマンのことも」
「そうですよね、会議で多少話しは出たでしょうね」
「そうでしょ?俺もそう思うんだよ」
僕は、パンフレットに書かれたロケットマンのロゴを見つめていました。
「じゃぁ、邦題はロケットマンでいいかな」
会議室に、映画会社のスタッフ達が集まっていた。
「そうですね、これでいきましょう。勢いもあっていいですし」
ホワイトボードに書かれたいくつかの邦題案の中で、「ロケットマン」の文字だけが赤い丸で囲われていた。
「あ、ちょっと待ってください!」
「なんだよ、もう決まりかけてるっていうのに」
「すみません、でも僕、ロケットマンって聞いたことがあるので、一応ネットで調べてみます」
「大丈夫だって、聞いたことないし」
「あ、ありました!!」
「ほんとか?だれだ、ロケットマンって」
「お笑いのふかわりょうっていうのが音楽活動するときの名前みたいです」
「ふかわか…」
「どうなんでしょう、こういうのって」
「多少、打診したほうがいいんですかね…」
会議室に沈黙が流れた。
「まぁ、いっか、ふかわだから」
「え、いいんですか?」
「だって現に知らなかったし、なんか言ってきたら謝ればいいよ」
「そんなんで大丈夫ですかねぇ…」
「よし、邦題はロケットマンで決まり!」
そうして、ホワイト上には「ロケットマン」の文字だけが残された。
「ちきしょー!まぁいっかだってよ!」
「どしたんですか、急に?!」
「会議の模様を想像してたら腹が立ってきた!まぁいっかの瞬間、会議室に乗り込んでやればよかった」
「でもおいしいじゃないですか」
「おいしい?」
「はい、ロケットマンっていう言葉が世に出るんだからいいことですよ」
「…そうだな、ラジオでもネタになるしな」
「よし、こうなったら全面協力して、正々堂々便乗しよう!」
ということで、映画「ロケットマン」に、僕は一秒もでていません。一秒もでていないのですが、テーマソングに使用されることになりました。本編中には流れないのですが、一応、テーマソングらしいです。CMなどのときに流れるのでしょうか。こうなるともう、他人事ではなくなってきました。なにはともあれ、映画「ロケットマン」、ぜひ相乗効果を!!
P.S.:
会議室の模様はフィクションです。

1.週刊ふかわ |2007年09月09日 09:30

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