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2007年06月03日
第270回「いつまでもあると思うな親と金、そして...」
そして...のあとには、なにが続くのでしょう。地位でしょうか名誉でしょうか。それとも友人、恋人でしょうか。
ロシアの首都モスクワでは、5月後半にはいってから連日のように30度を超す猛暑が続いているそうです。通常ならまだ涼しさが残る季節なのに、29日は気温が32.1度、その前日の28日は33.2度を記録し、例年の平均気温を10度以上も上回っているのです。
日本でも、毎年のように異常気象という言葉がきかれ、結局異常でない年がありません。最近では、ラニーニャ現象なる聞きなれない言葉も耳にするようになり、いよいよ地球温暖化も本格化、というよりむしろ末期といった印象を受けます。もしも人間ドックのように地球をCTスキャンしたら、きっと見るに耐えない結果が待っているのでしょう。しかし、人間はなかなかその現実を受け止めようとしません。温暖化が、地球の容態が悪化しているその顕著なサインであるにも関わらず、大胆に生活様式をかえようとしないのです。なかなか好きなタバコがやめられないのと同じように、結局人間は、自分の生活に直接影響が及ばないと大きく行動を変えないのです。医者から「やめないと死にます」って言われてはじめてタバコを捨てるように、どこかで自分の危機につながらないと、快楽を切り捨てることはできないのです。
僕たちは、温暖化を気にしつつも、心のどこかで、自分が生きているうちは大丈夫だろうと、たかをくくっています。なんだかんだずっと存在するものだろうと、勝手に決め付けているのです。でもそんなことは人間の都合のいい解釈、いわば幻想であって、真実ではありません。地球が瀕死の状態にある真実を受け止めなければならないのです。地球がいつまでも存在するなんて、絶対に思ってはいけないのです。だから、「そして...」に続くのはまさに、「地球」ということになります。
「いつまでもあると思うな親と金」
この言葉は、生きるうえで大事なこととして、どの時代も親から子へ語り継がれてきました。この言葉を小さい頃から耳にすることで、若いうちは気付かない親とお金の大切さも、あたりまえのように感じられたのです。でももはや、「親と金」だけでは不充分な時代になりました。これからの時代は、「いつまでもあると思うな親と金、そして地球」なのです。いや、いっそのこと、順番も変えていいかもしれません。何十年何百年とその地位をキープしてきた「金」が、遂に2位の座を奪われる日が訪れたのです。
「いつまでもあると思うな親と地球」
これからはこれなのです。比べるものではないけれど、金よりも地球のことを考えなければならない時代なのです。金は大事だけどそれは個人を主体とする考えで、それよりも環境を主体とする価値観に変わるのです。だから今後は子供たちにこのようなかたちで語っていかないといけないのです。そうすることで世の中が、「地球を大事にすることが当たり前の空気」になるのです。
地球環境保護団体や、個人で温暖化防止に努めている人は今現在でもかなりの数存在します。しかしながら、まだその波は全体にまで広がっていないように思えます。「田中くんってかっこいいけど地球のことなんも考えてないよね...」「お前、就職の前に地球のこともっと考えろよ」みたいに、日常的に地球を考えるようにならないといけないのです。でも、おそらくもう何年かするとそうなるはずです。みんなが毎日地球のことを考えて生活する日がもうすぐ訪れるのです。
人間がこれまで何百年とやりたい放題やってきたことへの代償は、大きいどころの騒ぎではありません。これから長い年月をかけて、地球の補修工事をしていかなければなりません。それはまさに、一人一人が自覚して、地球温暖化防止に務めることです。そうしないと、ほんとうに地球がなくなってしまいます。地球を破壊してほかの星に住むほど傲慢な生き方はありません。冗談でなく、エゴからエコにシフトしないともうシャレにならないのです。地球の未来の鍵を握るのはまさに僕たちであって、地球の未来は、いま、作られているのです。
JCCCA Web::全国地球温暖化防止活動推進センター
→ http://www.jccca.org/
1.週刊ふかわ |2007年06月03日 09:30
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