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2005年09月11日

第186回「来てほしくない日」

「あぁ、またこの日が来てしまったかぁ、、、」

人は皆、「来てほしくない日」があると思います。親知らずを抜かなければならない日、マラソン大会の日、合格発表の日。できることなら避けたいのだけれど、どうあがいても避けることのできない日。そんな、まったく待望していない日が、人間にはあるのです。

「亮ちゃん、免許の更新はがきが届いてるから、近いうちに行きなさいね」

実家から電話がくると僕は、「あぁ、もうこの時期が来てしまったか、、、」
と、迫り来る現実に、とても憂鬱な気分になりました。

「免許の更新」、それは僕の中で「来て欲しくない日」のベスト5にはいるかもしれません。これほどまでに来て欲しくないと願う日って、そうないですから。なにが嫌かというと、とにかくあの雰囲気が嫌なのです。なんなんでしょう、あの独特な感じ。別に悪いことはしていないのにどことなく何か悪いことをした人たちが召集されているようにさえ感じてしまうほどのどんよりとした雰囲気。やたらと私服のおじさんとかが多く、なんか競馬場の近くのような印象も受けるし、はりきって仲間連れで来るヤンキーたちが目立とうとしているもんだから、どこか居心地が悪くなってしまうのです。そして、新しい免許証
を受け取るまでにいくつかの行程をふまなければならないのだけど、どのポイントにいっても混んでいて、とても毎日やっているとは思えないほど、人であふれているのです。しかも、です。これが常々痛感することなのですが、それだけ人がたくさんいるのにもかかわらず、美人がひっっとりもいないのです。

苦痛な空間にいるときほど僕は、美しい人を探します。満員電車などに乗っていたら、自然と美しい人を探してしまうのです。つまり、その空間の中でのマドンナを決めるのです。マドンナを見ていれば満員電車の苦痛な時間もだいぶ楽になります。それが新幹線の中でも、エレベーターの中でも、予備校の中でも、僕はこれまで多くのマドンナと出会ってきました。マドンナがいるだけで世界は変わるのです。どんなに苦痛な空間に置かれていても、マドンナがいれば心は癒されるものなのです。だから僕は、美しい女性には、国からエステ、衣装代などの補助金がでてもいいと思います。国が保護するべきなのです。でも実際、国からの援助がなくったって、いろんな人に欲しいものを買ってもらって、なんでも手に入るのだろうから、むしろ美人でない人に援助をするべきかもしれないですね。つまり、「非美人に対する補助金制度」です。これが設立されれば、世の中の女性の美しさにばらつきがなくなり、全体的に美しいひとが増えるわけです。それによって世の男性も魅了され、仕事に精をだし、国の経済も活性化することが見込めるのです。だから、政府は道路とかを整備するほうに予算をまわすのではなく、世の女性を整備するほうに回したらいいのです。毎年,何兆円もの予算を「非美人」にあてれば、美人が増えるわけだから誰も文句は言わないはずです。ただ問題は、「美人」と「非美人」の境界線をどうするかです。審議委員のようなアカの他人から、「アナタは補助金をもらう資格があります」みたいなことを言われるのもいやだろうし、「私はブサイクです」と自己申告するのも惨めな話です。友達の推薦っていうのも友情にヒビがはいるおそれがあります。まぁそこらへんはあとで考えるとして、とにかく僕は、これまで数々の苦痛空間を、マドンナを探すことで乗り越えてきたことは事実なのです。もっと言うと僕は、世の中を変えるのは女性だと思っています。それは女性が権力を握るべきだということではありません。女性は権力を持つ男性をいかようにも操れる、ということです。あぁ、きょうはやけに脱線してしまうけど、わりと大事なことを言っているなぁ。でもこのことはまたいつかじっくり話しましょう。では、話を戻します。

僕が免許を取得、更新などで行くのは横浜市の二俣川というところにある運転免許試験場というところなのですが、いままで何度も行きましたが、一度も美人を見かけたことがありません。マドンナがいないのです。おじさんとヤンキーと変なジーンズをはいた人しかいないのです。だから苦痛だけが残るのです。これがまだ、友達と数人できていれば苦痛もだいぶ軽減されるのだろうけど、更新のタイミングなんてそう合わないし、いい大人が「免許の更新いっしょにいこうよ!」なんて言えません。だからいつも孤独なのです。みんながそんな憂鬱な気持ちを抱いているから、その空気が充満しちゃって、ハッピー感ゼロの空間になるのです。それこそ、同伴者派遣センターみたいなのが近くにあって、そこで更新にかかる数時間だけ友人になってくれる人を貸し出してくれればいいのです。

「ちょっとトイレいってくるから荷物もってて」

「うん、いいよ」

この程度の会話ができるだけで、だいぶ気持ちは楽になるものです。孤独から解放されるのです。レンタルフレンドの場合は1時間千円。レンタル恋人の場合は1時間2千円、みたいな感じで。あぁ、またそれてしまった、、、。

だから僕は、刑務所にはいるくらいの気持ち、「この世にはなにも期待しねぇぞ!」くらいの気持ちで、二俣川の運転試験場に行ったのです。ものすごくハードルをさげて。しかしそんな中、予想だにしなかった危機が訪れたのです。
関係ないところをふくらましすぎたので、来週にひっぱりましょう。

1.週刊ふかわ |2005年09月11日 10:50