« 第162回「10years」 | TOP | 第164回「なぜ、ふたつなのか」 »
2005年03月27日
第163回「タワレコ派な僕は」
視聴器にヘッドホンがふたつ付いていることに疑問を感じはじめたのはだいぶ前のことで、それからというもの、その答えを導くためにずっと頭を悩ませてきました。雨の日も風の日も、食事中でも仕事中でも、いかなるときも僕は、「ひとつの視聴器に対してなぜヘッドホンがふたつなのか」を考えてきました。しかしながら、そうした努力の甲斐もなく、月日だけが経ってしまい、ともすれば、僕が答えに到達する前に、他の研究者が発表してしまう危険性まででてきました。なので、まだ途中ではありますが、現段階での僕の見解を、この場を借りて、述べたいと思ったのです。
その発表の前に、僕とCDショップとの関係性について簡単に述べておきたいとおもいます。それは、どこかの国の一夫多妻制のように、僕には何件かの行きつけのCDショップがあります。ただ、単に数えてみたら数件あった、ということではなくて、それぞれに役割があり、TPOにあわせてCDショップを使い分けているのです。たとえば、DJをやっている以上、ある程度新鮮な音楽を仕入れないといけません。なので僕は、魚屋さんが市場に仕入れにいくように、渋谷のタワーレコードに、その開店時間に合わせていったりします。開店と同時に現れ、午前中のうちに渋谷をでるのです。なぜ開店時間かといえばやはり人が少ないからです。店内も、渋谷も。人が少ないと、ひとりの店員さんに対するお客さんの数が少ないわけです。飛行機で言うと、エコノミーでの客室乗務員とビジネスのそれとの違いですね。わがまま言えちゃうわけです。だから、「明日あたり、大量に仕入れるか」というときはかならず午前中のうちに渋谷に現れ、店員さんに聞きたい放題きいて、多いときで20枚くらい買ってしまうのです。ちなみにHMVでないのは、タワレコのほうが若干探しやすいのと、店内が明るいのと、袋がかわいいからです。HMVのユニフォームもあんまり好みじゃなかったし。
「わざわざ渋谷まで出向かなくっても手に入るだろう」って時は、近所の山野楽器やツタヤのような、というか山野楽器やツタヤなんだけど、CDショップに行くのです。こういうところはタワレコのような、あらゆるジャンルを網羅した店にくらべて、消費者の最大公約数が並べられています。なので、流行ってる曲、メジャーな曲を仕入れるときは近所の山野楽器で済ませられるわけです。
特に目当てがあるわけではないんだけど、なんかよさそうなのがあったら買おうかな、くらいの気持ちでいくのが、なぜかCDも置いてある雑貨やさんです。本来CDがメインではないんだけど、なぜかCDも置いてあるお店。本来は雑貨屋さんだったり家具屋さんだったりするんだけど、まるで音楽もインテリアだと主張しているかのように、当然のように並べているお店。それも独特の視点でセレクトされていて、「ここで売ってるならだいじょうぶだろう」と思わせるような感じ。実際僕は、この手のショップで購入することが多いため、近所のインテリアショップに陳列されているCDのほとんどを所有している状況です。
仕事帰りにとりあえず寄ってみるのが、以前紹介しました、「本とCDとゴルフ用品」という、独特な組み合わせのお店です。ここの詳細は以前述べたので割愛しますが、夜遅くまでやっているこのお店は、ジャズやボサノバ、ラウンジコンピレーションなどの大人向けのCDが多く、ちょっとしたカフェバーに寄るような感覚で入ってみるのです。仕事を終え、家に帰る前に一杯飲んでいくように、ラウンジCDを一枚買って帰ることは、僕にとってちょっとしたストレス発散にもなっているのです。
このように、僕にの生活にCDショップは絶対に欠かせないものであって、さらに目的に応じたCDショップが、いくつかないとだめなのです。一夫一婦制じゃだめということです。で、どのお店にも視聴器というものはあるのだけど、どこもやはり、ヘッドホンがふたつなのです。「そんなのカップルで聴くためでしょ」なんて思うかもしれないですが、そんな理由だけではないはずなのです。きっと、なにか理由、活用のしかたがあるはずなのです。そのことについての見解を今日発表する予定だったのですが例によって前置きが長くなってしまったので、来週にしましょう。
1.週刊ふかわ |2005年03月27日 11:00