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2021年04月05日

第872回「新しいリズム」

 

 この春、夕方から夜の帯番組になるにあたって、生活のリズムは多少なりとも変化するでしょう。昨年末にマネージャーから報告を受けた話を前回しましたが、その中で、印象に残る言葉がありました。

「作業を中断しなくて済むので、創作活動に専念できるのではないでしょうか」

 確かに、朝から原稿を書いたり、曲を作ったりすることが多く、だいたいお昼ご飯を食べてから支度をし、15時くらいに家を出る流れ。朝9時に出社という会社員の方々からすれば羨ましく思われるかもしれませんが、レコーディングなども、一度生放送のために抜けてはまた戻り。仕事の合間を縫って曲作りや執筆などを行なうことが習慣になっていたので、不満どころか「中断」とも思っていなかったのですが、マネージャーがそう感じてくれるのはとてもありがたいことです。

 もちろん、「ひるおび!」やその他のイレギュラーな収録が入ることもあるとはいえ、今後、時間の自由度は高くなります。ただ、これまでは午前中に集中力を発揮させる朝寄りの生活だったのですが、生放送が22時に終わるとなると、夜に重心も傾くでしょう。かつての深夜ラジオに比べれば大したことはないですが、新しいリズムに慣れるまで時間がかかりそうです。あとは、生放送の後にお腹が空いたり、帰りにコンビニに寄ってお菓子を買ってしまわないように気をつけるくらいでしょうか。

 そしてここからが本題なのですが、このリズムが変わるタイミングで、「週刊ふかわ」を一旦お休みすることにしました。何度も申しておりますが、当初はケータイの「iモード」が流行った頃にスタートした「ツタヤ・オンライン」というページのコラム連載でした。12回限定の。それが、毎週コラムを書き続けたいという思いから、場所を変えて配信を続け、なんだかんだで872回。自分の意思で、よくここまで続いたと思います。そこから、「ムーンライト・セレナーデ」や「カフェオレ・スマイル」「無駄な哲学」など、書籍化されることもありました。「風とマシュマロの国」も、この「週刊ふかわ」で連載したものをまとめました。そして昨年、エッセイ集「世の中と足並みがそろわない」で、一つの区切りになった気がします。「週刊ふかわ」をまとめたものではありませんが、今日まで続けてきたことが結実したという思いに至りました。

 人によっては、今まで書いたことのない人がいきなり書いたという印象を受けたかもしれませんが、あの数ヶ月で一冊仕上げることができたのは、まさしくここで「週刊ふかわ」を続けてきたからだと思います。書くことを続けるのは、筋トレ。やはり日々の習慣が力になるということでしょう。ただ、残された人生。今まで続けたからというモチベーションだけで物事を続けるべきではありません。自由になった時間を、しっかりとモノを作る時間にあてたい。この筋トレを止めるのは、楽になるためではなく、むしろ逃げ道を塞ぐ行為なのです。

 このメルマガは一年後に再開するかもしれませんし、そのまま終了するかもしれません。その時になってみないとわかりませんが、しばらくは「週刊ふかわ」のない新しいリズムで、メロディーを奏でたいと思います。

 おそらく20年近くに渡ったと思いますが、とりとめのない話にも関わらず読んでくださり、本当にありがとうございました。

2021年04月05日 17:46

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