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2021年01月20日
第861回「半地下DISCO」
緊急事態宣言に始まった2021年。昨年のそれに比べると、非常事態の印象は薄まっているようです。やはり、人間は慣れる生き物。コロナの観点で言うと、賛否あるかとは思いますが、社会のあり方でいうと、健全な姿かもしれません。
私個人的なことになりますが、1月2日に3回目となる「ほろ酔い朗読会」を、そして8日には、初めての配信DJ、「半地下DISCO」を開催しました。文字通り、自宅の半地下部屋からお届けする、生DJミックス。遭遇した方いらっしゃいますでしょうか。
昨年、三宿webが閉店するなど、すっかりDJをする機会が減ったためか、公私共に、しばらくクラブ・ミュージックからも遠ざかっていたのですが、年末あたりから気持ちがあがってくる感覚があり、移動中の車内で低音が響くようになりました。そうして年が明け、「朗読会」で自宅からの配信に慣れてきたこともあり、DJの配信も試してみたくなったのです。
「いま、やれることをやろう」
いくつかクラブから声を掛けていただいたものの、断らざるを得ない状況が続いていたことと、緊急事態宣言という空気が、私の背中を押してくれた気がします。おそらく、例年のような日常を送っていたら、自宅から配信する必要性を感じることもなく、このような心境にまで至らなかったでしょう。
実際配信となると、朗読会のように部屋で流れる音をスマホのマイクが拾うのではなく、機材から直接ケーブルでスマホに繋ぐので、いくつか買い足すものも出てきます。なんとか発信側の環境は整えてみたものの、これがネットを介し、参加者の手のひらでどのように鳴るかはやってみないとわかりません。今日はもう疲れたから、今度でいいかと、先送りしようとしました。
「試しに半地下discoやってみます」
やはりいまやるべきだろう。ツイートをして、逃げ道を塞ぎました。
その数分後の22時。配信開始のボタンを押し、インスタグラムでの初DJライブ配信「半地下DISCO」が始まりました。
事前告知なく始まったものの、一人二人、五人六人と、瞬く間に集まって、トータルでは300人以上のお客さんが来てくれました。突発的で慌ただしかったかと思いますが、いきなり始まるDJというのもなかなか面白いような気がします。また、椅子に座り、自分のトラックのみで繋いだ約30分のDJは、目の前にお客さんこそいないものの、流れる参加者のコメントに、フロアの人たちの心境が伺えて、とても楽しく過ごせました。思い立ったら即DJ。ゲリラ豪雨のようにゲリラ配信によるDJ。仮に、コロナが収束しても、このスタイルは残ってもいいような気がしました。
奇しくも「半地下の家族」がテレビで上映されていたタイミングだったようですが、実際、「朗読会」と「DISCO」は、同じ半地下でも、別の部屋。ほとんど使用せず、物置と化していた空間にブースを設置し、ようやく役に立ってよかったです。背景となる、コンクリートの打ちっぱなしの風合いが地下感を醸し出しています。「半地下」にこだわって部屋を探した甲斐がありました。あまり登場しなかった機材「DJコントローラー」も活路を見出しました。
朗読会のようにアーカイブは残していませんが、お風呂に入るときに、自分のミックスを聴いています。尺的にもちょうどいいのですが、考えてみれば、自分のDJミックスってほとんど聴いたことがなかったので新鮮でした。
急なお知らせにも関わらず駆けつけてくださった皆さんありがとうございました。今後も、あまり前もってお知らせしないかもしれませんが、たまたま遭遇した虹のように、タイミングも含めて楽しんでもらえたら嬉しいです。ということで、今年もよろしくお願いします。
2021年01月20日 11:01
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