« 第858回「ごんこえ〜」 | TOP | 第860回「さよなら2020」 »
2020年12月22日
第859回「移りゆく景色のなかで」
「え?このお店も?」
毎年夏に「5時に夢中!」のADチームを労う焼肉会をしていた場所もなくなっていました。行きつけのパン屋さん、ドーナツ屋さん、中国料理店。コロナが原因かどうかはわかりませんが、今年は、街の景色が大きく変化する年になりました。行きつけのお店がなくなるのも寂しいですが、行ったことのないお店でも、日常の景色が変わる寂しさがあります。
「じゃぁ、これで行きましょう!」
そんなある日、さまぁ〜ずさんとの冬季限定ユニットである「ういんたぁ〜す」の曲、「夏も冬も」が完成しました。
YouTubeの「さまぁ〜ずチャンネル」をご覧になっている方はご存知かと思いますが、突然スタートした音楽プロジェクト。今年になって、度々さまぁ〜ずさんと顔を合わせられるだけでも嬉しいのですが、さらに、音楽ユニットを組むという素敵な企画。内村プロデュースの「NO PLAN」でも音楽活動はありましたし、古くは名古屋の「げりらっパ!」という番組で一度曲を作ったこともありました。
「何百年に一度より、毎日見ているこの景色」
書籍の取材の合間、新潮社に突然やってきた際には、「卒業ソング」というオーダーもありましたが、その後、自分なりに様々な要求を咀嚼し、イメージした結果、このようなテーマの楽曲にしました。
日常こそが一番輝いている。これは私の長年の、いや、人生のテーマです。「何十年に一度」「数百年に一度」それらも素敵なことですが、やはり私は、毎日目にしている景色が最も輝いていると思っています。特に、コロナ禍によって、例年当たり前にできていたことが、どれもできなくなり、結局当たり前のものなんてなく、当たり前のようなふりをしている日常こそ、いかに奇跡であるか。それに比べれば、何百年に一度の頻度で訪れる現象なんて、私にとってはそれほど重要なことではありません。移りゆく景色の中で、変わらない日常への感謝の気持ち。それを、曲にしました。
電話での会議も通り過ぎて、先日、無事にレコーディングを終えました。誤解のないように申し上げますが、あの突然の電話は、レコーディングの4日前。その4日間で別の曲となるとなかなか厳しいという話であって、時間の制約がなければ別の曲を作ることはもちろん可能でした。
また、外部発注に関しては、これまで私がそういうことをする場合があるように聞こえたかもしれませんが、実際、一度もありません。外部発注していたら、それはその人のトラックです。レコーディング4日前の打診に対する拒絶反応が、あのような表現に繋がりました。人は、時に、真実ではないことや、思ってもいないことを口にすることがあると思いますが、その現象の一種です。
そして、もう一つ。物作りは、多数決ではないと思っています。これに関してはもう少し時間を割いてもいいのですが、たとえ少数であれ、一人の情熱が作品を作るものだと思っています。
いつ皆さんの耳に届くかわかりませんが、私としては、日常はもちろんですが、大好きなさまぁ〜ずのお二人がとてもカッコよく、輝く曲になったと思うので、楽しみにしていてください。移りゆく景色の中で変わらないものを大切にしたい。夏も冬も。
2020年12月22日 09:04
トラックバック
このエントリーのトラックバックURL:
http://blog.happynote.jp/blog_sys/mt-tb.cgi/318