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2020年07月10日
第836回「田中みな実という女」
バラエティーはもちろん、ドラマやCMでも大活躍。写真集を出せば凄まじい売れゆきで、今や飛ぶ鳥を落とす勢いの「田中みな実」さん。彼女のラジオに度々呼ばれていますが、関係は長く、まだ駆け出しの頃の番組で共演することが多かったのです。
通常のスタジオ収録と違ってロケ番組は移動の時間が長く、プライベートな話をするタイミングがあります。特に共演した深夜番組は、中央道や東名高速などの高速道路のサービスエリアを全部巡るというもので、若手芸人たちとTBSアナウンサーになりたての彼女が観光バスで移動する、遠足のようなロケでした。
当時の彼女は、現在のようなキャラクターはまだ固まっていなかったものの、方向性としてはすでに片鱗がありました。メロンパンをかじって、カメラに上目遣いで感想を言ったり、場の空気に合わせて若干イラっとさせるキャラクターを演じていました。本人はまだ局のアナウンサーとして自覚があったので葛藤も見られましたが、当時からポテンシャルの高さは窺えました。
それからしばらく接点はあまりなかったのですが、MXテレビの「ひるキュン!」という番組を彼女が担当したこともあって仲間意識が強まったのか、数年前に彼女の相談に乗ったことがありました。その時は、色々と迷いがあったようで、信じられないくらい落ち込んでいました。カフェを2件、計4時間にわたって話を聞きました。それが功を奏したのかわかりませんが、その後の彼女は憑き物が落ちたように生き生きとし、さらに活躍の場を広げていきます。あの頃はまだぬかるんでいたキャラクターもしっかり定着し、「あざと可愛い」という新しい価値観も生みました。そうして2020年。今年の顔と言ってもいいくらい一挙手一投足が注目される存在になりました。
彼女のラジオでは、本番前にいきなり「もずく」を食べ始めたり、柔軟体操を始めたりと、自然体で天真爛漫で奇想天外なところもありますが、「とんぶり」のことも僕以上に考えてくれて動画撮影にも快く応じてくれました。
また、「どうにかなりそう」の振り付け動画も、彼女にお願いしたら即答どころか、テレビ番組まで巻き込み、大人気の女子アナ・弘中綾香さんまで踊ることになりました。さらには、今月末に放送される同第三弾のエンディング・テーマを私が任されることになるなど、何か投げれば、彼女の頭の中で歯車が動き出し、すぐに実行する行動力。同時に、周囲の人間も動き出す影響力。発想力と巻き込む力。やがて女性総理になるのではないかと思ってしまうほどです。もちろん、自分には一番厳しいです。振り付け動画も、一つでいいのに3パターンも送ってきたり。1ポーズに何テイクも撮っているので、トータルでどれほど時間をかけてくれたのか。写真集の撮影にもきっと計り知れない努力があったのでしょう。ラジオで高笑いする彼女を見ると、きっとギリギリのところでバランスをとっているような気もするので、いつか壊れてしまわないか心配です。どうか彼女は、あざとくてもいい、幸せになってほしいものです。
2020年07月10日 16:44
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