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2020年06月19日

第834回「はじめてのTikTok」

 

 何もない空き地にシーソーを作ったら、次第に子供達が集まって、たくさんの人たちが楽しんでいる様子を見ているような感覚。作ってよかった。

 正直言えば、私の人生とは無縁のものだと思っていました。時折、web広告等で拝見することはあっても、若者の間で流行っているもので、一過性ではないものの「タピオカミルクティー」くらいの位置付けでした。しかし、いざ蓋を開けてみたらどうでしょう。そこはまるで音の楽園。ピースフルなバイブスが漂っていました。

 新型コロナによる自粛生活の中で始まった、「どうにかなりそう」の振り付け動画。実際、私が踊るわけではなく、歌っているトミタ栞さんが自宅で踊って毎日アップするというもの。そんな彼女も、TikTokには二の足を踏んでいたそうで、この機会に飛び込んだようです。

 誰かが曲に振りをつけて、それをみんなで真似して広がっていく。人間は模倣する生き物と言いますが、画面で認識できる面白さ。音楽で繋がって、広がっていく現象にとても平和な印象を抱きました。もしも私がいま学生だったとしてもやっていたかはわかりませんが、自撮りや踊ること、見られることに抵抗のない人たちがこんなにもいるとは。真似の文化こそ昔からありますが、テレビを介さずに広がるケースは珍しいでしょう。また、「ステイホーム」という環境がよりその広がりに拍車をかけたと思います。

 ひとりだったりグループだったり、動画数が1000を超えると、そこからさらに拡散され、今では1万を超える動画が上がっています。ここまでたくさんの人に楽しんでもらえたことが、すっかりクラブから遠ざかっている私にDJしている気分を与えてくれました。

 ちなみに、「どうにかなりそう」はもともと2014年にryo fukawa名義でリリースしたものがオリジナル。ボカロで作成したもので、2017年にはそのリミックスをリリースしました。そうして品種改良を重ね、2020年。トミタ栞さんの歌う「どうにかなりそう」は、彼女の天真爛漫なキャラクターが功を奏し、華やかな曲調になりました。

 私のことは知らなくても「どうにかなりそう」は知っているというケースもあると思います。若者たちが楽しんでいるところに、中年男性が出ていくのも気が引けるので、この感じでちょうどいいのでしょう。 

 数ある動画の中には、変顔バージョンだったり、寄り目バージョンだったり、伝言ゲームのように、微妙に変化が伴っていくのも面白いところ。まるで暖簾分けされ、微妙に味の違う「どうにかなりそう」にも人が集まってくることがこのtiktokの魅力だと思います。これからどこまで広がっていくのでしょう。さて、そろそろ、配信しておきますか。

2020年06月19日 16:48

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