« 第810回「うたたねクラシックin佐世保」 | TOP | 第812回「ビジホ愛」 »

2019年11月08日

第811回「ことわざアップデート」

 

「書籍化の話があるのですが」

 そんなことをスタッフに伝えられたのはもう一年ほど前でしょうか。一枚の企画書から時を経て、遂に、書店に並ぶ日がやってきました。

 J-WAVE「ロケットマンショー」でやっていた「現代用語でことわざ辞典」。サタデーナイトの4時間を彩るレギュラー・コーナーでしたが、そもそも古くから伝わることわざに対するリスペクトがありました。「フニオチコンテスト」もそうですが「腑に落ちない」という慣用句やことわざは、最初は誰かが言い出した瞬間があるわけで、それが時代を超えて広く愛されてきたのですから、ある意味スタンダード・ナンバーのようなもの。そんな素晴らしい財産でもあることわざを使ったコーナーをやりたい、そうして「現代用語でことわざ辞典」を設けました。

 特に週ごとにお題を決めず、リスナーさんから寄せられた「現代版のことわざ」を紹介。優秀者には折り目がつけられたりしました。「現こと」として親しまれ、「ジャパニーズ・スタンダード」が書籍化されたように、いつかカタチにしたいという思いを抱いたまま、番組は終了しました。

「このようなコーナーをしたいのですが」

 5時に夢中!のメンバーに加わってから数年経った頃、ふと頭をよぎりました。ラジオでやっていたあのコーナーなら、この番組内でもできるのではないだろうか。各曜日のコーナーは、それぞれのカラーが反映され、一度やってきり音沙汰がなくなることもあります。ただ、僕の中では、エロ&インテリジェンスを兼ね備えた木曜メンバーならできる。いや、木曜メンバーにぴったりだという確信がありました。

「今日が最初で最後かもしれませんが、やってみましょう!」

 ことわざアップデートという名に変更し始まってみれば、木曜日の雰囲気にぴったり。語彙力の高いメンバーはもちろん、視聴者や「街の声」などの参加によって、いまやなくてはならない長寿コーナーになりました。年末の総決算、アップデート大賞を発表する際には、流行語やレコード大賞、今年の一文字に匹敵するほどの関心が集まるようになりました。

「書籍化お待ちしていま〜す!」

 そんなことを冗談混じりに言っていましたが、心のどこかで期待していました。これほど書籍にしやすいコーナーはないので、必ずいつか来るだろうと。唯一それを妨げるものがあるとすれば、下ネタ関連の多さ。これを出版となるとなかなか勇気のいることです。そんな中、颯爽と手を挙げたのが今回出版することとなった「スモール出版」。全然スモールじゃありません。この度量の大きさ。そうして令和元年1031日、「ことわざアップデート」が店頭に並ぶこととなりました。ここに至るまで編集する方はなかなか大変だっただろうと思います。

 さらに、発売からひと月待たずして増刷とのこと。出版不況にして、決して安くはないこの書籍が大健闘です。こうしてロケットマンショーでやっていたことがテレビ番組のコーナーとして発展し、ひとつの形に成就したこと。冒頭の「ロケットマンショー」という文字に、その思いを込めました。

 コーナーが始まって五年目になるでしょうか。ことわざは星の数ほどあります。もう有名なものは全てやったかと思いきや、意外とまだ残っていたりします。アップデートなので、一度アップデートしたものを再アップデートしてもいいのでしょう。今後もさらに、アップデートしていきたいと思います。

2019年11月08日 17:32

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://blog.happynote.jp/blog_sys/mt-tb.cgi/251

コメント

コメントしてください

名前・メールアドレス・コメントの入力は必須です。




保存しますか?

(書式を変更するような一部のHTMLタグを使うことができます)