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2019年10月10日
第807回「秋田でナイスとんぶり〜後編〜」
「芸能生活二十五年、今は浮力だけでやっております」
陽光が降り注ぐ会場は、1万人による柔らかいクッションのようでした。
「それでは、フェスっぽいことやらせてもらってもいいでしょうか」
とんぶりのコール&レスポンスが空に響き渡ります。
「実は楽屋にこんなものがありまして…」
そうして掲げたのは、あの白いヘアターバン。かつて使っていた正真正銘の「本物」ターバン。会場がどよめき始めました。
「ここで反応する人は昭和生まれです〜」
そんなやりとりを経て、いよいよネタに。
「四半世紀ほど前のものですが、私が世に出るきっかけとなったものをここでやらせてもらってもいいでしょうか。ただ、これをやるにはバックダンサーが2名ほど必要なんです。と言うことで、拍手でお迎えください。」
まずは、とんぶり娘のトミタ栞さん登場。しかし、バックダンサーはもう一人必要です。
「もしどなたかやりたい方いらっしゃいましたら…」
さすがに会場からは志願者はでません。すると突然、大きな歓声が上がります。何も言わず、まっすぐな瞳でこちらを見つめ、空に剣を突き刺すように、右腕を伸ばす男の姿がそこにありました。
「優さん!」
しっかりエアロビ・スタイルに白いヘアターバンまで装着して、表情も仕上がっています。
「これはバックダンサーというより、センターですよ!」
会場がいろんな声であふれています。さぁ、準備は整いました。
「大仙の空に響け!小心者克服講座!」
音楽が鳴り始めると、三人の体が縦に動き始めます。背後なので動きは見えませんが、お客さんの表情で伝わってきました。
「ありがとうございました〜!」
無事に小心者克服講座、フルバージョンを終えることができました。強力なバックダンサーのおかげで、広大な屋外にも関わらず、しっかりと届けることができました。
「みなさん、バックダンサーいかがでしたでしょうか」
大きな歓声の中、もう一人のターバン男は去っていきました。
「さて、ここからはみなさんにもご協力いただきたいと思っています。」
曲を作った経緯などを発表し、一番の目的である「とんぶりの唄」をみんなで踊りたい旨を伝えました。もちろん、曲自体も知らない人もいるので、サビの部分をアカペラで歌って、トミタさんに振り付けをレクチャーしてもらい、あとは見様見真似でなんとかなるでしょう。
「それでは準備はいいですか?次、本番行きますよ〜」
するとまた会場が賑やかになりました。グリーンのとんぶりを被った男がステージ脇から現れました。そうです、優さんです。ヘアターバンからとんぶり頭になっています。
「もしかして、一緒にやっていただけるんですか?」
聞くところによると、振り付けも事前に習得されたそうで、ご自身の演目もあるというのに、本当にありがたい話です。
「それでは、みんなも一緒に踊って、歌いましょう」
とんぶりの唄が流れました。僕が歌い、トミタさんと優さんが踊るとんぶりの唄。今日だけの、とんぶり三兄妹。初めての人も僕らに合わせて踊り、歌ってくれました。最後の腕をふる部分では、1万人の手が天を仰ぐように揺れて、大海原のようでした。
「ナイスとんぶり!!」
そうして鳥海ステージでの演目は、無事に終了しました。その後、一息つくまもなく物販のコーナーに移動。とんぶりCDの即売会をして、お客さんたちと直接触れあうことができました。毎年参加していたり、地元の方や、全国から集まっていることがわかりました。CDがなくなったあとは、とんぶり撮影会になりました。
「いやぁ、最高だった〜」
ババヘラアイスを片手にホット一息。秋田の魅力をあらためて実感した、素晴らしいフェスでした。とんぶりが繋いでくれた、とんぶりの輪。最高の「ナイスとんぶり」になりました。
2019年10月10日 17:45
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