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2018年04月06日

第743回「はじめてのニューカレドニア〜後編〜」

 

「天国に一番近い島か…」

 中年の肢体が、透き通った水に浮いていました。

 

「これって、入らずにいられる?」

 道路を渡ってみれば、見渡すかぎりに海が広がっています。写真に収めるだけでは気が済まなくなってきました。

「もうここまできたら何をしても一緒!」

小さく丸められた靴下が、靴の中に押し込まれます。

「うわ!気持ちいい!!」

 ひんやりというよりは生ぬるい海水が足にまとわりつくと、僕はすぐにホテルの部屋に戻りました。もちろん、気が済んだからではありません。

「これではいるなっていう方がおかしいんだ!」

 もはや、ホテルから出てはいけないというルール自体を悪とした僕は、念のためリュックに入れておいた水着を取り出しました。Uターンするように砂浜に戻ってくると、瞬く間に体を沈めて行きました。

「最高だ!」

 まさに楽園でした。天国に一番近い島。遠くの木の小屋が浮かんでいます。海と空の境目がありません。体を大の字にして、雲ひとつない空を眺めていました。このまま天国に行ってしまいそうです。

「あぁ、ずっとこうしていたい…」

 時間帯のせいもあるかもしれませんが、水温も高く、温泉に浸かっているようでした。ほとんど人がいないので、周囲も気になりません。仕事も、スタッフの忠告も忘れて、すっかり極楽気分。

 

「お前、随分灼けてんな!」

 数日前から滞在しているお二人には到底、敵いませんでしたが。

「実は、スタッフさんからはホテルから出るなと言われたんですけど…」

我慢できずに、ずっと海に浸かっていたことを告白しました。  

「お疲れ様でした!」

 ロケも終わり、みんなで夕食。シャンパングラスがテーブルの上で乾杯の音を鳴らします。エスカルゴなどのフランス料理や、美味しい果実のお酒が出てきました。お酒と日焼けと、真っ赤になった大人たちの夜。ちょっぴり肌がヒリヒリしています。

「本当に、ありがとうございました!」

 フライトの時間が近づくと、僕はそのまま空港に向かいました。

 シークレットではありましたが、さまぁ〜ずさんに誘われた夏の楽園。こんな24時間、ジャック・バウアーもびっくりです。滞在時間こそ短かったですが、ロケも楽しく、十分満喫できたのは、さまぁ〜ずさんのお人柄によるものでしょう。お二人のおかげで、はじめてのニューカレドニアは、至福の時間となりました。またいつか、訪れてみたいものです。

2018年04月06日 07:49

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