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2018年06月01日

第748回「きらきら星はどこで輝く 第12話 優しい言葉」

 

「この曲は、どのように弾きたいですか?」

トロイメライを弾きえると、三舩さんの口からこのような言葉が出てきました。雷に打たれた気分でした。

 三船さんは名前の通り優しい方なので、何層にもコーティングして表現してくれていますが、これはつまりどういうことかというと、以下のようになります。

「お前さぁ、楽譜持ってきてないから怪しいなとは思ったんだけど、ピアノ舐めてんの?なぁ、クラシック舐めてんの?トロイメライ?楽勝?はぁ?お前、わかってんの?シューマンだぞ?音を出せばいいってもんじゃないんだよ?わかってるよなぁ、ラジオのパーソナリティーやってりゃあ。いけると思います?ははは、笑わせるなよ。どの口が言ってんだって話!自分の演奏聴いたことある?ないだろ?これシューマンが聴いたら泣くぞ。なに崩して弾いてんだよ。なに雰囲気出して弾いてんだよ。千年早いわ、あほ!楽譜をみろ、楽譜を!音符を見ろ、音符を!お前はアレンジャーか?千年早いわ、あほ!何がトロイメライじゃ!そんなんじゃ誰も感動しないっつーの!!」

 少々口が悪いですが、わかりやすくいうとこういうことです。これを、一言で、僕を傷つけずに伝えてくれました。

 確かに中学生の頃から弾いてきて、この曲ならいけるという自負がどこかにありました。簡単な曲というイメージがなかったといえば嘘になります。しかし、クラッシックにおいて、真の意味で簡単な曲というのは存在しません。たとえ音数が少なくとも、間違えずに弾くのと、聴衆を魅了するのは別の話。もしかすると、シンプルな曲ほど難しいかもしれません。うたたねクラシックでトロイメライ。楽勝とは思っていませんでしたが、どこかで驕りや油断がありました。やはり、プロの方に見てもらうというのはこういうことなのでしょう。自分では気づけないことを教わりました。

「聴いてもらってよかったです!」

そうして、ピアノスタジオを後にしました。

 それから、あっという間に時間は過ぎて、気がつくともう二日前。

「今週末、九州でうたたねクラシックというコンサートを開催します!」

お昼の情報番組でしっかり告知。そして、コンサート前日の移動日を迎えました。

「いよいよ明日からだね!」

 きらクラ!の収録をいつもより早い時間に終えると、そのまま羽田に向かいます。どのような演奏旅行になるのでしょうか。福岡の到着ゲートで他のメンバーと合流し、まずはホテルにチェックイン。外は強めの雨が降っていました。

2018年06月01日 07:57

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