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2016年05月15日
第658回「いろんな絵の具を借りて」
今回のアルバムが、とてもカラフルになったのは、たくさんの絵の具を借りているから。絵の具が先か、描きたいものが先か。いずれにしても、白と黒しか持っていない僕のところに、いろんな色が集まって、色彩豊かな世界ができました。
まず、今回初めてお借りした「MICO」さんという絵の具。この色自体、とても特徴的で、非常に存在感があります。いわば、赤のようなものでしょうか。「chocolate bossa」「愛はしんどい」「君とSUNDAY」、俗にいう、情緒不安定3部作。同じ絵の具でも、混ぜ合わせ方で微妙に異なるように、これら3曲でも、絵の具の使う量や薄め方はそれぞれ異なります。歌っている人物こそ同ものの、人格が違うのは、ひとりの人間でもいろんな側面があるからでしょう。
続いて、トミタ栞さん。こちらの絵の具もはじめて使用しました。トレーナーの色にあるような、新緑の色。明るく前向きな印象。漠然と、明るい曲や違うテンポの曲を作りたいと思い、作曲していたところ、次第に女性の声が聞こえてきて、徐々に近寄ってみると、彼女の姿が現れました。もともと、同じスタジオを使用していることや、テレビ神奈川の番組も何度か拝見していたことで、僕の頭のなかにはいっていたのでしょう。実際、はじめてお会いした日がレコーデイングだったのですが、別の世界に誘われながらも、しっかり自己表現しようとする姿勢に、一生懸命さが伝わってきました。彼女の色のおかげで、「BEST DAYS OF MY LIFE」は、イメージどおり、明るく前向きな曲になりました。
続いて、ミズノマリさん。もう、何度もお借りしているこの絵の具は、色に例えると、みずいろのような印象。水のように掴めそうで掴めない。トラックを製作していて、ひとたびミズノさんの声が聞こえてしまうと、もう、離れられません。彼女の涼しげな色を使って描いた「SUMMER SAMBA」からは、夏の香りがしてくると思います。
そして、ザ・おかわりシスターズ。こちらの絵の具は、薄紫というか、橙色というか、どこか哀愁が漂う色。Satokoの卒業とともに、涙の解散となりましたが、とてもいい思い出ができたと思っています。今回は、iTunesでダンスチャート1位に輝いた「期待感ゼロ」が配信のみだったので、アルバムに収録しました。
そして、ひときわ目立つこの色は、ショッキング・ピンクといったところでしょうか。平野ノラ扮するバブリー美奈子が唄う「OK!バブリー!!」。実を言うと、もともとは、「ARE YOU READY?」という曲としてトラックを製作していました。それがあるとき、「OK!バブリー!!」という言葉が聞こえてきてしまい。なので、最初は「ARE YOU READY?」の別バージョン的な感じで彼女に声をかけようかと思ったのですが、いつのまにか、「OK!バブリー!!」が「ARE YOU READY?」を越えてしまいました。平野ノラという芸人さんと出会っていなかったら、こんなことにはなりませんでしたが、バブルという強烈な印象がなかったらCDを作りたいとも思わなかったでしょう。
そして、こちらもおなじみの、ガウちゃん。色はやはりゴールドでしょうか。今回はカーペンターズのCLOSE TO YOUを歌ってもらいましたが、英語の曲がはさまると、アルバム全体に奥行きがでて華やかになります。また、初のオリジナル、「Beyond the light」はガウちゃんの声量だからこそ描けた曲であることはいうまでもありません。今回はインストで収録してある「over the rainbow」もいつかガウちゃんに歌ってもらいたいものです。
このように、「I’M MUSIC」の世界は、たくさんの絵の具をお借りして描くことができました。自分ひとりでは描けません。本当、みなさんに感謝です。ということで、次は、モノクロの世界も描いてみようかな。
2016年05月15日 22:36
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