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2015年09月06日

第627回「ロケフェスレポート③」

ギターの音に女性の声が重なりました。
「MayJ.さんが、ロケフェスに帰ってきました〜!!」
もうこの距離で会うことはないでしょうと言ったのはいつだったか、もう遠くへ行ってしまったと思っていた歌姫がリキッドルームに戻ってきてくれました。以前よりもパフォーマンスに安定感を感じるのは受け手の気分なのでしょうか。毎日のように聞いていたあの名曲も、生で聴くのははじめてという人も少なくないはず。アーティストとしてひと回りもふた回りも大きくなったMayJ.さんの最後の曲はやはりこの曲です。
「この曲との出会いも運命的だったのではないでしょうか」
 往年のヒットナンバー「Garden」が流れると、ハリのある声が響き渡ります。そうです、DJ KAORIさんがステージ袖から登場しました。これはいわゆる黄金の流れ。あのときの感動が、いま蘇る瞬間。しかし、リキッドルームが、「愛の庭」に染まったそのとき、事件は起きました。
「あの、機械に詳しく無い人間でも、トラブっていることはわかりますよ」
 まさかの機材トラブル。DJブースまわりに、大人たちが囲んでいます。本番でこうならないためにリハーサルでチェックしたのに。でもこれもライブの醍醐味。MayJ.さんは去り、KAORIさんはブースで機材確認中。こんなときこそMCが輝くとき。MCの手腕が問われます。
「なんか一言あってもよくない?」
 そこにいたのは、人の悪口をいうMCでした。いざというときに人間の本性がでるといいますが、こともあろうに、いないひとの悪口を。まぁこれも電波に乗らないライブのお醍醐味ではありますが、機材以上にMCが故障しはじめました。まだブースからは音がきこえてきません。このままでは、MCの人間性が疑われる。器の小ささが露呈してしまう。そのときです。
「おったまげ〜!!」
耳を疑いました。どこかできいたことのある声。それも、ついさっき聞いた声。
「私でよかったら、力、お貸ししましょうか」
 女神に見えました。救いの手を差しのべたのは、まさかの後輩の平野ノラ。先輩がガス欠寸前のところで助けにきてくれたのです。
「じゃぁ、あれやっちゃうか?」
 トイレ休憩で完全に掴んだ彼女は、もはや向かうところ敵なし。バブリーボックスでさらに飛び交う50音。世代交代の波を感じずにはいられませんでした。
「もう、お前のフェスだよ。」
第6回ロケットマンフェスは、第1回ノラフェスに変更されました。
「おっと、音がきこえてきた〜!ぱーりーぴーぽー!!」
そしてはじまるDJ KAORIさんのパーティータイムは、機材トラブルで申し訳ない気持ちだったのか、渾身のスーパー早替えプレイ!90秒に一曲のペースでめまぐるしく駆け抜けてゆくダンスチューン!本気の姿を目撃したようで、気迫に圧倒されました。そして見事に盛り上げたKAORIさんからバトンを受け取ったのは、ロケフェス初登場の男でした。


2015年09月06日 11:06

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