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2015年05月17日

第613回「カフェとサロンとスイーツと」

 もうかれこれ20年になります。もちろん、ずっと同じ家ではありません。一人暮らしをするならここがいいと車窓を眺めていたのが高校生の時。晴れて契約したワンルームマンションを皮切りに、一度離れたことはあるものの、基本、この街の中で引越しを繰り返しています。ここは、カフェとサロンとスイーツの街。週末ともなればお祭りのように若者たちで溢れかえり、日曜日は歩行者天国にもなります。それでいて、少し離れれば閑静な住宅街。メルヘンおじさんにとってはとても居心地のいい空間。入りたいけど勇気がなくて店の前を自転車でいったりきたり。家に帰ってネットで覗いてみたり。行かなくても、素敵な雰囲気のカフェがあるだけで日常生活は潤い、ちょっとした隙間に小さなお店がいくつもあるから、宝探しのようで、散策していてとても楽しい街並み。それでもどうしても行きたくなったら、海外に行くくらいの決意で扉を開けます。
 この街は、多くの美容院を見かけます。犬も歩けばサロンにあたる。数えたことはないですが、クリーニング屋さんをいざ数えてみると想像以上にあるので、その数は数百にもおよぶのかもしれません。以前もお話ししたでしょうが、この街に一軒しかないファストフード店がなくなり、なにができるのかと思って期待に胸を膨らませていれば、まさかの美容院。ただでさえ飽和状態だというのに、こんなにも満員電車にさらに乗り込んでくるとは。ラーメン街道などのように、同じ業態のものが集まることによる効果はあるにせよ、それにしたって、一軒しかない店舗が不振で300件近くある美容院が成功する不思議。経済学をもっと勉強しておけばよかったです。
 この街では、行列を見かけます。ラーメンではありません。そうです、スイーツです。どこで嗅ぎつけてくるのか、朝から女の子たちが並んでいる光景。並ぶことが苦ではなく、まさしくディズニーランドのアトラクションと同じような感覚なのかもしれませんが、まぁよく並んでいます。駅の近くならまだしも多少離れていても。かつて、ロールケーキ専門店ができたとき、さすがにこれは厳しいだろと思ったのですが、それ以降、いまだに行列のない日を見かけません。見たとしたらそれは販売終了のとき。さすがはスイーツの街。僕はいまだに食べることができていません。いったいどれほどのロールケーキなのでしょう。
 そんなメルヘンの街が、ここへきてまた勢いを増している気がします。大きな焙煎機が見えるカフェだったり、スイーツも増えてきているようです。エストニアのように、そろそろ街全体からシナモンの香りがしてくるでしょうか。コーヒーとシナモンの香る街。ぶらぶら散歩したり、ぼーっとお茶するのにいい街。原稿もカフェで書いてみたり。20年在住ながら、はいりたいけどなかなかはいれないもどかしさを日々味わっています。

2015年05月17日 10:00

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