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2016年06月05日

第661回「劇場版を終えて」

「お疲れさまでした!!」
 渋谷からほど近い距離にあるお店。僕とふたりのマネージャーと、平野ノラ、佐々木くん、米田さん、そして平松くんのグラスが集まりました。かつてのスタッフが全員集まることは無理でしたが、こうしてまた土曜の夜のメンバーが一堂に会したことは、非常に清々しいものでした。
「やっぱり、時期がよかったですね」
 だれが言ったかは忘れましたが、たしかにそれはあるかもしれません。番組が終了した直後でも、だいぶ経ってからでもなく、本能的に僕が求めた時期。それは、植物の開花までにかかる時間。番組終了を消化するのにおよそ1年半かかったということかもしれません。

「あれからどれくらい経ったことでしょう。あの伝説の最終回から、いくつの夜が通り過ぎたことでしょう」
 そんなひとり語りからはじめようと決めたのは当日の朝。前述のような言葉がぽこぽこ降りてきて、緞帳の前で話している映像が頭に浮かんだのです。
「それでは劇場版ロケットマンショー、スタートです」
 淡々と伝えると、あのオープニングテーマが流れだし、緞帳がゆっくりとあがりました。舞台上にはどっからどう見てもラジオブースにしか見えないテーブルが現れ、上には、筆文字でタイトルが描かれています。
「それではお呼びしましょう、平松くんです!!」
 軽い挨拶のあと、なりやまない拍手を制し、それぞれブースの椅子に腰掛けました。表舞台でこのふたりが顔をあわせるのは番組終了後はじめてで、それ以外でも、まるで離婚した夫婦のようにほとんど会話することのなかったふたりですが、いざはじまってみれば、彼の「あいかわらず」な部分が功を奏し、まったくブランクを感じさせないハーモニーになりました。
 途中、平野ノラのパフォーマンスや、岩下尚史さんを迎えてのカフェコーナーなどもありましたが、基本的には、僕が日常生活で引っかかっていた胸の支えを取り除く作業。メモをしたまま消化できずにいたことを、ひとつひとつ消化していきました。
 懐かしいジングルやBGMが流れたり、ロケットマンショーのエッセンスこそ散りばめていましたが、今回は、再現することにあまり重きをおきませんでした。「劇場版ロケットマンショー」という言葉から、さまざまな想像、期待があったかと思いましたが、僕が伝えたかったのは、ロケットマンは生きている、ということだったからです。

「自分に嘘つくなよ〜」
 そうして、約2時間の劇場版ロケットマンショーは幕を降ろしました。すっかり喉は枯れてしまいましたが、とても心地よい時間でした。僕のなかで、新しい音がきこえてきました。

2016年06月05日 17:41

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