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2015年11月22日
第636回「シリーズWHAT’S DJ? 第二回ここにもリンゴが落ちてきた」
ソフトが開発されたことにより、パソコンでDJができるようになりました。DJブースにパソコンが置かれることで、一層DJというものがなにをしているのかわからなくなる方もいるかもしれません。ましてや、目線はPC画面なのに、手はターンテーブルの上にある。レコードなの?パソコンなの?といった感じですが、言ってしまうと、あのレコード、音ははいっていません。CDJで操作するタイプもそうで、CDJに挿入されたCDには音ははいっておらず、あくまで信号を送るための通過点。ターンテーブルの上で回転しているレコード(VYNALヴァイナルと言うと通な感じがでます)に音ははいっていないのです。では音はどこにあるのかというと、PCの中にはいっている音源が流れていて、それを動かしています。パソコン画面に小さなDJブースがあり、中にはいっている楽曲を、ターンテーブルもしくはCDJと連動させてDJプレイすることが可能になったのですが、実際の光景をみると、どうしてこんな「連動」が可能なの?と思ってしまうでしょう。それを可能にするには「インターフェース」という機材が必要なのですが、これに関しては言葉で説明しても悪化するだけなので、気にせずいきましょう。
そうこうしているうちに、あれよあれよという間にブースにリンゴが落ちてきて、クラブやディスコはリンゴだらけになりました。
ここで大事なのは、PCDJの出現により、ブースで音が見えるようになったこと。もちろん、パソコンで曲を作る人は、音を波形で見ていたのですが、DJプレイ中は見ませんでした。音が波形となって画面上に現れるので、ドラムの位置が明白になり、曲を繋ぎやすいと感じる人も増えました。これによって、DJは、「耳ではなく、目で合わせるようになった」のです。自分で言うのもなんですが、これ、名言です。僕は耳で合わせることに慣れているので、目で合わせることにまだ抵抗があるのですが、これからは目で合わせるDJが量産されることでしょう。
最近では、コントローラーという、まさにコントロールするDDJという機材が多数販売されています。ターンテーブル(CDJ)とミキサー、インターフェースを一体化した感じでしょうか。パソコンとコントローラーがあれば、あとはスピーカーに繋ぐだけでDJができてしまいます。高価なものから手の届きやすいものまで、雑誌2冊分くらい大きさから手のひらサイズのものまで、どれも少年の心をくすぐるものばかり。パソコンではなくiPhoneとつなぐタイプのコントローラーもあります。機械によって出力の差はありますが、それはパイオニアさんが縮めてくれることでしょう。コントローラーを常設するクラブも増えるでしょう。となるとDJたちの荷物はますます軽くなるのです。
PCDJのおかげで、いつでもどこでもDJができるようになりました。アウトドアはもちろん、自宅にDJブースどころか、助手席でもDJできちゃう時代。大量のレコードもいらないし、曲だってダウンロードで集められる。身軽になったことやファッショナブルになったことで、みんながDJをするようになりました。DJブースの敷居が低くなり、ある種のブームを迎えているかもしれません。ブームになると、ちゃらちゃらしたDJも増えますが、それがアクセサリーなのかヘッドホンなのかは、5年後を見ればわかるでしょう。
イベントを企画する人間も、かつてはお笑い芸人を呼んでいましたが、ここ数年はDJを呼んでみんなで盛り上がるスタイルに変わってきています。日本人はこんなにパーティー好きだったのか疑問に思うほど、この島では、常にどこかでパーティーが開催されるようになりました。最近では「とりあえずDJいれとけばなんとかなる」的な発想も多いのか、特にハロウィンパーティーではひっぱりだこ。DJ需要はリア充願望に比例するようです。
だれもが簡単にはじめられる時代。誰もがDJになれる時代。ここでもうひとつ重要なことがあります。それは、次回をお楽しみに。
2015年11月22日 18:40
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