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2007年04月29日
第266回「3社合同サイン会のお知らせ」
初夏の香りが風に乗ってやってくる季節、皆様、いかがお過ごしでしょうか。
今年に入ってからずっと制作中心の生活だったのですが、先日アルバムのPV編集が終了し、ようやく頭を休ませることができました。プロモーションなどで普段以上に肉体は稼動するものの、頭を悩ます作業に比べれば全然楽しいもので、神経を尖らせていた僕の生活にも、久しぶりに笑顔が戻ってきた気がします。
今週になって次々とサンプルがあがり、遂に僕の手元に3つの裏メニューが揃いました。これらの制作のためにいろんなものを犠牲にしたものの、やはり完成品を手にする瞬間は、なにものにもかえがたいものがあります。この瞬間こそ、もっとも喜びを感じられるときなのかもしれません。いっそ、これらを連れて温泉にでも行きたい気分なのです。
ということで、あとは5月9日の発売を待つばかりですが、その先には、以前から小出しにしてきたサイン会も待っています。ようやくその詳細が決まったので、ここでお知らせしたいと思います。
日時:5月13日(日曜日)
場所:HMV渋谷 3階イベントスペース
時間:13時半開場 14時スタート
開場というのは、それくらいの時間から整理券の番号順に並んでもらう、ということです。
しかしながら、3社合同ときくと、次のような不安を抱く人も少なくないでしょう。
「3社合同ってことは、3つ買わなきゃいけないの?正直ゴールデンウィークでほとんど使っちゃったんだけど...」
そんな人たちのためにも、今回は、サイン会のための「不安解消!完全攻略マニュアル」を作成しました。自分がどれに該当するか、以下のA〜Nさんのケースを参考にして、是非サイン会に参加してください。
Aさん「アルバム・小説・エッセイ集、すべて渋谷HMVで購入したんですけど...」
→当然のことながら、すべてにサインします。気持ち的には抱きしめたいくらいです。ちなみに当日会場でも購入できますし、事前に購入した場合は整理券を渡されると思います。
Bさん「アルバムは渋谷HMVだけど、本2冊は近所のツタヤで購入したんだけど...」
→この場合でも、すべてにサインします。つまり、3つのうちいずれかを渋谷HMVで購入してもらえれば、すべてにサインをする、ということです。
Cさん「エッセイ集しか買ってないんだけど...」
→それが渋谷HMVであればまったく問題ないです。
Dさん「小説しか買ってないんだけど...」
→これに関しても、渋谷HMVであれば、まったく問題ありません。
Eさん「全部渋谷HMVで買ったんだけど、家にあった「ひとんちで充電すんなよ!」持ってきたんだけど...」
→ほかの著書・CDに関しては、どこで購入したものでも、こっそりサインしますが、時間の関係でできない場合もあります。
Fさん「せっかく全部渋谷HMVで買ったのに、全部持ってくるの忘れちゃったんだけど...」
→さすがにご自宅に伺うわけにはいかないので、イベント終了までに取りに帰るか、それが無理であれば、基本的にはあきらめてください。ただ、ほかの場所(クラブ・海・ジャスコ)で偶然会ったときに渡してくれればそのときにサインします。
Gさん「3つ買ったんだけど、全裸でも大丈夫ですか?」
→できれば全裸はお控えください。
Hさん「で、3つ買ったらなんかいいことあんの?」
→厳密にいうと、特にありません。でも、悪いこともありません。
Iさん「3つ全部渋谷HMVで買ったけど、家にあったオアシスのアルバムも一応持ってきたんだけど...」
→別に僕はかまわないですが、アルバムはそのアーティストにサインしてもらうのが望ましいと思われます。
Jさん「正直なにも買ってないんだけど、当日行ったらどうなんのかな...」
→なにもないのでサインはできませんが、サイン会の様子を見学することは可能です。ぜひ、見に来てください。
Kさん「その日は、ケイコちゃんと初めてのデートなんだけど、実際、どこにいったらいいのかな?」
→やはり最初のデートだと、ディズニーランドだとか、そういった派手なところは避けたほうがいいでしょう。堅苦しくなく爽快感のある映画、もしくは水族館なんかもオススメです。
Lさん「バイト先の先輩がすごく嫌なんです。やめるべきでしょうか?」
→どこにいってもかならず嫌な人はいるものです。先輩の嫌なところばかりでなく、いいところも見つけてあげましょう。
Mさん「自分に自信がない、これからどうやって生きていったらいいんでしょうか...」
→誰でも最初は自信がないもの。もっとがんばって努力して、自分を信じられるようになろう!
Nさん「ピザの配達なんですけど...」
→え?ピザなんて頼んでないですよ?!
Kさん「ケイコちゃんが、ディズニーランドがいいって言ってるんですけど...」
→なら、ケイコちゃんの言うとおり、ディズニーランドがいいんじゃないかな?
Nさん「おかしいですねぇ、こちらの住所なんですけど...」
→いたずらじゃないんですか?とにかくうちはピザなんて頼んでません!
Kさん「じゃぁランドとシーではどっちがいいんですかねぇ?」
→実際、僕はいったことがないからわからないけど、とりあえずはランドのほうがいいんじゃないかな
Nさん「じゃぁ、一応お金だけ、よろしいですか?」
→なんでだよ!こっちは注文してないんだから払う必要ないでしょ!
Nさん「でも、こちらとしても...」
→こちらとしてもじゃないよ!うちは絶対払わないよ!
Kさん「ケイコちゃんがシーに行きたいっていってるんですけど...」
→じゃぁシーに行けばいいだろ!もういちいち確認してくんなよ!
Mさん「やっぱり、どうも自信がもてなくて...」
→もうしらねぇよ、そんなこと!自分のことなんだから自分でどうにかしろよ!
Oさん「あの...サイン会に友達も誘って行こうかと思うんですけど...」
→はい!ぜひお友達なども誘って来て下さい!ひとりで3つ買うのもありですが、ひとりひとつずつで全然いいですからね。
参考になりましたでしょうか。不安は解消されましたでしょうか。ちなみに、写真に関しては原則OKですが、時間が大幅に長くなってしまった場合はご遠慮願います。また、ケータイかカメラのいずれか一方に決めておいてください。ということで、時間のある方は遊びにきてくださいね。
1.週刊ふかわ | 10:00 | コメント (0) | トラックバック
2007年04月22日
第265回「写真展のお知らせ」
木村伊兵衛賞というのをご存知でしょうか。ものすごく簡単に言ってしまうと、写真界の芥川賞です。つまり写真界のすごい賞ということになります。これまでの歴史をみると錚々たるメンバーが名を連ねているのですが、今年受賞された本城直季さん、そして梅佳代さんの作品展が開催されているのです。日時は4月20日から27日まで、場所は新宿のコニカミノルタプラザ、ギャラリーCというところで、10時半から19時までやっています。入場無料です。写真に興味のない人でも充分楽しめると思うので、会社帰りなどにでも見に行ったらいいかと思います。
で、なぜ僕がこんなことを宣伝しているのか、と疑問に思うでしょう。しかもこの大事なリリース前に、ほかの人の宣伝をしている場合なのか、ということです。しかし、関係ないわけではないのです。この作品展と僕は、大いに関係があるのです。
「表紙なんですが、本城さんにお願いできました」
「そうですか、よかったです!」
編集部の人の声に、僕はほっと肩をなでおろしました。
原稿のチェックをし始める頃になると、同時に、表紙はどうする、みたいな話になってきます。そんな中、編集部の人と相談し、表紙を本城直季さんにお願いすることになったのです。彼の写真は、実際の写真をみるとわかりやすいのですが、現実が非現実に見えてしまう、街がミニチュアに見える、というとても斬新なものなのです。正直なところ、僕もそれまで木村伊兵衛賞というのを知らなかったのですが、その写真集をみて、「あ、これはすごいよ!賞をとるはずだよ!」と、その受賞に納得したほどです。そして幸いにも、本城さんは快く了承してくれまして、小説の表紙をあらたに撮っていただくことになったのです。その撮影の日のことでした。奇跡はここからはじまります。
「え、今回のゲストは、写真家の...」
本城さんとの撮影のあと、隔週でやっている短歌のラジオがありました。そこには毎回、バラエティーでは絶対会わないような文化人の方がゲストとしてきます。僕が打ち合わせの部屋にはいると、スタッフに混じって、スカートの下に黒いスパッツをはいた、いわゆる普通の女の子が座っていました。ただ、唯一普通の女の子と違うところは、彼女の首から大きなカメラをぶらさげている、ということでした。
「どうも、はじめまして...」
「あ、どうも、はじめまして...」
僕は席に着くと、前にあったプロフィールが目に留まりました。
「木村伊兵衛賞...」
彼女の名前の下に、その言葉が書かれていました。
「どこかできいたことがある...」
その言葉を眺めていると、スタッフの女性が話しはじめました。
「えー、梅佳代さんは今年、木村伊兵衛賞という、言うなれば写真界の芥川賞を受賞されまして...」
「やっぱり!そうだ!この賞だ!」
「...通常は1名なのですが、今回は異例の2名ということで...」
僕はその日、偶然にも木村伊兵衛賞を受賞された2名のうちの2名、つまり今年の受賞者2名と対面することになったのです。こうなると、人間は単純なものです。
「これは、運命かもしれない!」
そこにあった彼女の写真集を開くと、その面白さもさることながら、僕のエッセイ集にマッチするではないかと、勝手に思ってしまったのです。
「梅さん、初対面でなんなんですけど...」
数日後、彼女の大量の写真の中から、「無駄な哲学」の表紙用の写真を選ぶことになりました。彼女は、なにかをとるぞ!という感覚で撮影せず、日常生活の中で気になった光景を撮っていくので、あらたにではなく、これまでの写真の中から選ぶことにしたのです。
「ほんとはもっとあるんですけど...」
そう言って持ってきてくれたファイルの中には、これまでに撮った大量の写真が入っていました。しかし、大量ではあるものの、選ぶのには時間がかかりませんでした。
「あ、これでいきます!」
パラパラめくると、すぐに僕は、ある写真に反応しました。
「あ、いいですね!」
編集部のスタッフも賛同しました。そのあとに、ほかの写真もすべて見ましたが、最初に出会ったその写真が一番しっくりしきていました。
「やっぱり、この写真でいきます!」
そこには、茂みの中でおすわりをしている、白い犬が映っていました。僕は、その犬の写真を表紙にする意向を伝えました。
「ちなみにこの犬って...」
「あ、うちの実家で飼ってる犬なんです。りょうっていうんです」
その言葉に、僕は一瞬にして体全身に鳥肌がたちました。僕が真っ先に反応した犬は、まさしく僕と同じ、「りょう」という犬だったのです。犬に、「りょう」という名前をつけるあたり梅さんらしいのですが、ほんとに人間のような、味のある表情をしているのです。
「俺は、奇跡を呼ぶ男かもしれない...」
いろんな偶然が重なって、それはもう奇跡でした。
そんなことで、お二人の写真展と僕は、切っても切れない関係なのです。おそらく、僕の二冊の本を見る人が見たら、「おぉ、この二人がどうしてふかわの本に!」と思うでしょう。でももし、そんなことを言っている人がいたら、こう言ってあげてください。「それは、奇跡を呼ぶ男だからだよ」と。
ということで、それぞれの表紙が店頭に並ぶのを楽しみにしていてください。本屋さん、ちゃんと並べてくれるといいんだけど。
PS:5月13日のサイン会のお知らせは、次週にしました。
1.週刊ふかわ | 10:00 | コメント (0) | トラックバック
2007年04月15日
第264回「解禁の理由」
それが、単に逃げているだけだということに気付いたのは、少し前のことでした。
これまで何冊かの本やCDを制作してきました。それなりに売れたものもあれば、そうでもないものも当然ありました。この読者をはじめ、ファンの人たちはある程度認知していても、世間的には、「え、ふかわってこんなに本出してたんだ!」「ふかわってDJやってんの?」くらいが現状だと思います。実際、テレビでほとんど話したことないし、僕の中でも、お笑いと違う活動だから言うべきじゃない、なんて思っていました。心のどこかで、ファンの人たちだけに届けばいい、わかる人だけにわかってもらえればいいという考えがあったのです。しかし、それは間違っていました。
「僕は、逃げている」
あるとき、そう思ったのです。逃げているつもりはなくっても、僕の考えは、世の中から逃げているだけで、まっすぐ向き合っていなかったのです。
当然、売れなくていいなんて思っていません。せっかく作ったものですから、たくさんの人に見てもらいたいという気持ちは当然あります。10万部や10万枚なんていったらさぞ気分いいんだろうな、なんて誰もが思うでしょう。それと同時に、ファンの人たちにさえ伝わればいいと思っていたのも事実でした。常にふたつの気持ちが存在していました。「わかる人だけにわかってもらえればいい」と思うことで、10万部に届かなくても言い訳ができるのです。10万枚売れなくても傷つかずに済むのです。でも、それじゃいけないのです。僕は、「わかってもらえない人にわかってもらう」ことから目を背けていたのです。
僕はいままで、逃げ道をつくったり、言い訳を考えていたり、そんなことばかりしていたのです。本当は知って欲しいのに、拒絶されるのが怖いから、傷つくのが怖いから、声を大にしていうのを避けてきたのです。そうすることがかっこういいとすら思っていたのです。世の中から逃げているだけなのに。
だからもう、言い訳もしないし、保険もつくらない、世の中にただまっすぐ、これが僕の作品です、これが僕の伝えたいことです、と胸を張って言おうじゃないか、そう思ったのです。だから、「解禁」なのです。
常連さんしか知らない裏メニューのままで満足せず、店にきた人みんなに味わってもらおう、この店に興味のない通りすがりの人にも、店先のショーケースの中にちゃんと飾って見せようじゃないか、ということです。そうしないと、伝わらないのです。ようやく最近になって、そう感じられるようになったのです。
もう少し踏み込んだ表現をすると、僕は、「作品」を作ってばかりで、本当の意味での「商品」を作っていなかったのです。家で作ったものを市場にださず、自分の家だけで楽しんでいたのです。自分の気持ちを満たすために作っていたのです。
自分の頭のなかにあることを形にすることは、それはそれで大切なことです。でも、それを「作品」にするか「商品」にするかで、大きく変わってきます。自分の思いを形にすれば、それは作品になります。でもそこに、世の中のたくさんの人たちに理解してもらうという気持ちが込められなければ「商品」とは言えないのです。自分の思いと同時に、世の中への思いがあってはじめて「商品」になるのです。だからいつも「作品」と「商品」のせめぎあいなのです。この先は少し長くなってしまうのでここでは割愛しますが。
どうしてこのような心境の変化が訪れたのかはわかりません。いろんな経験や出会いから生まれた自信も、その要因のひとつでしょう。でもなにより、自分を追及することに向かい始めたことが、一番大きな要因かもしれません。32歳になってようやく、自分というものに興味が出て、自分と向き合うことができて、そして本当の意味で自分を好きになりはじめたということです。だから、誰かに勝るとかではなく、自分の道を追及する、そこだけに集中できるようになれたのです。そしたらすべての恐怖が払拭され、不安がすーっと抜けていったのです。前にも後ろにも、その道に敵はいません。自分だけの道をただひたすら走り続ければいいのです。
こんな気持ちが、今回の裏メニュー解禁につながり、この価値観が、今後の僕の活動を大きく左右するのだと思います。自分の中に、宇宙があるのです。
PS:5月13日、渋谷HMVにて、3つの裏メニュー合同サイン会を行います。詳細は次週お伝えします。
1.週刊ふかわ | 10:00 | コメント (0) | トラックバック
2007年04月08日
第263回「DSJ〜消える街〜」
おそらく裏メニュー1、裏メニュー2ときて、誰もが今回は裏メニュー3が来ると思っていたかもしれません。ましてや、純粋な心を持つ読者の皆さんならなおのことです。しかし、世の中というのはそんなに甘くはありません。現実は、そんなに都合のいいものではありません。だから、そういう教訓を表すためにも、今回はまったく違うテーマにしようと思ったのですが、そんなことをしたら単に屈折した性格の悪い人間に思われるので、結果的には予想どおり、3番目の裏メニューを紹介したいと思います。
ということで、ふかわりょうの裏メニュー3つ目は、小説です。週刊ふかわ読者の中には知ってる人もいるかもしれませんが、現在、雑誌smartで小説を連載しています。連載の方は次号で最終回になるのですが、なんだかんだ約一年にわたって連載してきました。ちなみにその間、うちの両親は書店で若者のファッション誌を買い続けたわけです。おそらくsmart読者の中で最年長だと思います。そんな約一年に渡って連載してきたものが、晴れて単行本になるわけですが、もしかしたら疑問に思う人もいるかもしれません。そうです、約一年に渡ってというと結構な量な気もしますが、いっても月刊誌です。約一年の連載といっても実際には全部で十回なのです。これらをまとめたところで、いわゆる単行本サイズで200ページ近いものには到底及ばないのではないか、そんな不安を抱かせてしまうかもしれません。
ただ僕も子供ではありません。そんなことはわかっているのです。重々承知なわけで、ちゃんと用意しているのです。なにをって、その先です。その10回の先の先までちゃんと用意しているのです。「24」でいうならば、これまでの連載は、24時間のうちの10時間くらいなのです。いや、24時間のうちの8時間かもしれません。いや6時間、いや...「24」とは違うのです。言いたいのは、この10回の連載は、序章にすぎなかったということです。
だからといって誤解されたくないのは、決して行き当たりばったりではありませんよ、ということです。連載しているうちに単行本の話が決まって、足りない分を付け足したのでは決してないのです。僕はこう見えて、行き当たりばったりが、この世で一番といっても過言ではないくらい嫌いなのです。一泊二日の旅行に下着を3枚カバンに入れるタイプです。二泊三日なら5枚です。僕は、誰もがうらやむミスター用意周到なのです。いや、ミスター転ばぬ先の杖なのです。実際ネーミングなんてどうでもいいのですが、とにかく、行き当たりばったりじゃないよ、ということだけでもわかってもらえればと思います。全体の大きなストーリーがあって、その最初の部分を毎月ちょっとずつ小出しにしてきたということです。
じゃぁ逆に、なんですべてを連載しないんだ、ということを思う人もいるかもしれません。連載はここまでで続きは単行本で、となると、それこそ続きはwebでのCMとなんら変わらなくなるので、極力避けたかったのですが、もしもすべてを連載にして月一で出していったら、すべてが終わる頃には40歳くらいになっちゃうかも、ということなのです。時間がかかりすぎて、最初のほうとかとっくに忘れてしまうどころか、時代さえも変わってしまうのです。そういう意味でも、このようなスタイルを選んだわけです。内容にもからんでくるのでこれ以上のことはお話できないのですが、結局のところ、読んでもらえればわかると思います。で、さっきから気になっているかもしれないですが、「DSJ」ってなんなの、ってことですが、それは発売までのお楽しみにしていてください。
ということで、これまで紹介してきました3つの裏メニュー、アルバム「THE SOUND OF MUSIQUE」、エッセイ集「無駄な哲学」、そして小説「DSJ〜消える街〜」のすべてが5月9日に解禁となるわけです。「ゴールデンウィーク明け3部作」です。それを念頭において、予算を組んでくれるとうれしいです。
読者の皆さんにとっては、おそらく「裏メニュー」という感覚じゃないかもしれません。これらがどうして裏メニューなのか、そして、解禁するというのはどういうことなのか、それは次号お話します。
1.週刊ふかわ | 10:30 | コメント (0) | トラックバック
2007年04月01日
第262回「無駄な哲学」
ということで、今週は「ふかわりょうの3つの裏メニュー」の2つ目です。それはエッセイ集です。もうかれこれ単行本というと6,7冊出していたのですが、久しぶりのリリースです。以前、ここでも多少予告していたのでいまさら驚くこともないかと思いますが、それでも「一体どんなタイトルにしたのか」ということは関心に値するのではないでしょうか。といってももうお気づきでしょうが、タイトルは「無駄な哲学」になりました。実際、このタイトル選びにはいろいろと紆余曲折がありました。これまでのリリースした本やCDにおいては、それほどタイトル決めが難航することはなく、わりとスムーズに決まっていたのですが、今回は史上最高の紆余曲折、略して紆余曲だったのではと思います。
というのも、たとえば「HAPPY NOTE」みたいにホームページの名前や、「週刊ふかわ特別号」みたいなことにすれば、紆余曲なしでいけるのです。実際そうすることは簡単なのだけど、そういうタイトルにしてしまうと、知っている人には馴染みのある言葉でも、ホームページとか僕に一切興味のない人たちにはぜんぜん響かなかったりするのです。だから、僕に興味がない人の心にも響く言葉、それでいて連載を象徴するタイトルが望ましいのです。いつからだったか、その両者を満たす言葉を探す日々が続きました。考えすぎて、「ふかわりょうのラーメン紀行」「ふかわりょうのときめきサービスエリアマップ」までいきました。それはそれでいつかやりたいけど、今回に関しては残念ながら不適切でした。人間、考えることは大切だけど、考えすぎるとよくありません。なので、一旦考えることから離れてみました。そしたら急に浮かんできたのです。ある日突然、頭の中に現れたのです。それこそが、もう何度も出ていますが、「無駄な哲学」という言葉だったのです。どうです、この真面目なのかふざけているのかよくわからない感じ。それでいて「ちょっとだけ見てみようかな」という気分にさせてくれるゆるさ。しかも、これまでの連載の最大公約数とも言うべく、数百回分の文章を見事に一言で表現しているではないですか。実をいうと昔から、一言に凝縮することには自信があったんです。ともあれ、たくさんの紆余曲も、無駄にはならなかったわけです。
中身に関しては、アンケートに答えてくれた皆さんの声を、隅々まで聞いたつもりです。聞いたつもりですが、やはりどうしても皆さんの要望すべてを満たすことは困難でした。すべてを満たしたら、結果的に全文章を載せることになってしまいました。なので、特に声の多かったものを優先し、あとは僕の好みを充分に反映させて、一冊にまとめました。
以前公約したとおり、ブログで読んでるから必要ない、という人が一生後悔するような作りにしてあります。時折写真などもあって、とても楽しいと思います。ひょっとすると、「世界一手軽に読める哲学書」かもしれません。
僕自身、なんとなくカバンにいれておきたくなる本がいくつかありますが、みんなにとってもそんな存在になればいいなと思います。そして、めまぐるしく変わる現代社会を生き抜くための清涼剤、オアシス的存在になればと思っています。
ということで、二つ目の裏メニューは、アルバムと同じ5月9日発売、エッセイ集「無駄な哲学」です。どうぞお楽しみに!!