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2018年02月02日

第734回「モレスキンの手帳」

 

「何かが足りない…」

 そんな気分になったのは、2018年が半月ほど経った頃。いつものように過ぎてゆく日常のなかに、どこか物足りなさというか、微量の違和感を覚えていました。

「もしかして…」

 その原因が、あの黒い手帳にあるのではないか。そんな憶測の元、通販サイトを開きました。

「よかった、あった…」

 一月始まりの手帳は、年を越す前に購入しないと、好みのタイプが手に入らないことがあります。それでかつて、書店に電話をしまくったこともありました。しかし、スマホの波が押し寄せているのか、今回はその必要もなく、すんなりカートに入れることができました。

 使い始めたのは何年前のことだったでしょう。小さいものから特大サイズまで経験があります。しっくりこなくて、途中で乗り換えたこともありました。サイズこそ変わりますが、分刻みで動くわけではないので、見開きで一ヶ月のスケジュールが目に飛び込んでくるタイプを貫いてきました。

「やっぱり、これがないと調子が出ないのか」

 帯番組をはじめ、レギュラーの仕事をこなすのが主なので、必ずしも手帳で管理しなくても、スマホやパソコンのスケジュール機能で十分だろうと思ったのですが、やっぱりダメでした。紙に記入する行為がないと実感がわかない。利便性ではなく、むしろ面倒臭いことを求めているのかもしれません。一旦スマホに入力したものを、家で書き写す場合が多いのですが、すっかり文字を書かなくなってしまったいま、ほんの少しでも自分の字を見つめる時間は、相変わらず中学生のような文字に自分でもがっかりしますが、決して悪いものではありません。必要なのは、管理することではなく、自分自身を見つめる時間。 

 東京新聞で、かつて、「指にもご馳走を」というコラムを載せましたが、スマホやパソコンのキーではなく、革製のカバーや紙に触れることで、指先を刺激し、脳を活性化させる。それが、「人間らしい生活」なのかもしれません。

 完全にアナログだけの生活は困難ですが、もはや我々の生活から切り離せなくなってしまったデジタルと、アナログのハイブリッド・ライフがいまはちょうど良いのでしょう。モレスキンの手帳。まだまだお世話になりそうです。

2018年02月02日 14:12

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