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2017年11月17日
第726回「抑えきれない欲望」
「ブラック・フライデー」をご存知でしょうか。「ブラック・マンデー」なら、世界恐慌として学校で習いましたが、フライデーの方はまだ日本では馴染みがないかもしれません。ブラックな金曜日。「13日の金曜日」のせいもあって、どこか不吉な印象を抱いてしまうかもしれませんが、全くそうではありません。むしろ世の中に潤いを与える催し。
米国の感謝祭は11月の第四木曜日。その翌日の金曜日を指すのですが、小売店が黒字になることからこう呼ばれるようになりました。この「ブラック・フライデー」のタイミングで、一斉にセールが開催され、オープンと同時に大量の客が押し寄せるという現象が各地で見られるのです。実店舗はもちろん、ネット上においても。外資系の企業などは、日本でも開催しているケースもあります。
セールといえば、最近では中国における「独身の日」を記念した爆買いセールがありました。3分間で1700億円。驚異的な売り上げを記録したことが日本でも報じられました。一方、日本では、ハロウィンやクリスマス商戦など飾りつけやイルミネーションはするものの、とてつもない値下げというのはあまり見かけない気がします。ブラック・フライデー、略して「黒金」は、とにかく値下げの幅が半端じゃありません。ネット販売においても、えげつないほどの値下げが実施され、「嘘でしょ?」と目を疑ってしまいます。
僕自身、相変わらず音関連の商品を購入するのですが(曲ではありません)、半額はもちろん、80パーセントオフなどが普通に乱発されています。パソコンの前で待機こそしていないものの、いざ始まると、見ているだけで楽しく、かつてクリスマスにおもちゃ屋さんのチラシを見ていたようなワクワク感を味わえます。あの頃は親にお願いしないと手に入らなかったけれど、それなりの経済力を身につけてしまった今、欲求を抑えきれず、居ても立ってもいられなくなって、ついプチ爆買いしてしまうのです。それらが役に立っているかどうかはわかりませんが、良くも悪くも、ストレス発散の場になっているのはきっと僕だけではないでしょう。
このようなセールがネット上でも度々開催されるのですが、やはり米国における爆発力は黒金が一番でしょう。ちなみに、ブラック・フライデーとセットで繰り広げられるのが「サイバー・マンデー」。主にオンライン上の商戦。こういったものを含めると、年間を通して半分近くは何らかのセールが行われている印象です。
だから、セールの恩恵は受けるものの、逆の現象もあるので気をつけなければなりません。というのも、そろそろ大きなセールが始まる時期だとわかっていれば大丈夫なのですが、何も知らずに呑気に定価で購入してしまうと、昨日数万円で購入したものが翌日10分の1の値段で販売しているなんてことも。何の前触れもないから、これがまた心臓に良くない。最悪、ショック死してしまうほどの衝撃を受けるのです。だから、セール前はしばらく忍耐の期間となります。
ワンクリックで買えてしまう消費社会。セールの爆発力は、ストレス発散のエネルギーの裏返しかもしれません。世界中で、ストレスが溜まっているのですね。そろそろ別の発散法を見つけたいところです。
2017年11月17日 13:53
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