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2017年07月05日

第710回「祝!3000回」

 塵も積もれば山となる。雨だれ岩をも穿つ。千里の道も一歩から。小さなことからコツコツと。表現は様々ですが、真実は一つ。まさに、5時に夢中!はそれを体現していると実感しました。

 僕は途中からですし、3000回のうちどれくらいを担当したかもわかりませんが、効率化が美徳とされている昨今、時間をかけてコツコツ築いてきた結果が現在だと思います。時代という風が、追い風になっているのか、向かい風になっているのかわかりませんが、しっかりと根を張り、地道に続けてきたことで、多くの方々に愛される存在になったのではないでしょうか。

 普通のテレビ局に当たり前に備わっているものが揃っていない。人も、設備も、お金も、いろんなものが、足りていない。この番組の出発地点はそこでした。全てが足りていない。だからこそ、この番組には、キー局とは違う魅力が生まれました。そして、その魅力に気づいていくれる人たちがいました。低予算で作ればなんでもうまくいくわけではありません。足りない世界の中で、何事も笑いに変えてしまうプロデューサーの存在。彼の、度量の大きさと人柄が、足りない世界を全てプラスに変えてくれました。そこに、力を貸そうという人たちが集まって来ました。出演者、スタッフ、視聴者、たくさんのエネルギーが結集して、3000回という地点にたどり着きました。

 「お客様は神様」という言葉が最近では間違った使われ方もされているようですが、やはり、目の前にはいなくとも、視聴者は「お客様」。これだけ選択肢の多い中で、わざわざテレビの前に来てくれる、そんなありがたいことはありません。あの席に座っていて、これほど視聴者の愛情を感じられる番組はなかなかありません。また、カウントダウンウィークでは、群馬や栃木、京都や神戸と中継をつないで、全国ネットとは言えませんが、かつての「夢列島」を彷彿とさせる熱量を感じました。

 筏のようなものから、それなりの船舶になったかもしれません。番組立ち上げ当初から支えている者、途中から参加している者。テレビ業界というのは、時代の波を乗り越えるために、それなりに大きくなることや、変化が求められます。ずっと同じ形で維持し続けるのは困難なのです。番組の味が変われば、拒絶反応を起こしてしまう人もいるでしょう。そりゃそうです。お袋の味が変わったら誰もが喉をつまらせます。一方で、新しい味になったことで、入りやすくなった人もいるでしょう。ただ、この番組に関して言えば、一見さんお断りではありませんが、今まで支えてきてくれた方々を一番に考えている気がします。少なくとも、裏切るようなことはしたくない。そんな想いを、カウントダウンウィークで感じました。

 ほっといてもテレビの前に来てくれていた時代は昔。テレビ以外の選択肢が増えた今、毎日楽しみにしてくれている方々には本当に頭が下がります。視聴者あっての番組。3000回という歴史的な瞬間にたち会えたこと、みなさんに祝福してもらえることに感謝して、これからも大川号の乗組員として、大海原を進んでいきたいと思います。

2017年07月05日 13:32

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