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2016年08月28日

第672回「そして、夏がおわる」

「みなさんのおかげで本日も大成功におわりました!お疲れ様でした!」

たくさんのグラスのぶつかる音が店内に響き渡りました。


「よかった…」
 なんだか数日前から天気も不安定で、いつまでたっても傘のマークがとれなかったものの、気持ちのよい朝を迎えることができました。屋内とはいえ、やはり晴れているほうが清々しい。7回目を迎え、はじめての恵比寿ザ・ガーデンホール。午前中に会場にはいった僕は目を丸くしました。

「す、すげぇ…」

 2回ほど下見をしていましたが、そのときは舞台も椅子も設置していない状態。なので、広い体育館のような印象でしたが、そのとき目にしたのは、ステージが組まれ、雛壇状に椅子も設置。大きなスクリーンに投影されるイベントロゴ。下見のときイメージしたものよりはるかに魅力的な空間にしあがっていました。リキッドルームのライブハウス的な空間ももちろん好きですが、この、立派に整えられた空間の美に完全にノックアウト。と同時に、緊張感も走ります。自分のイメージしている6時間が、果たしてこの空間にフィットするだろうか。しかし、いまさら不安になったってしょうがない。自分の信じていることを自信を持って届けるしかないんだ、そう言い聞かせました。

「本日、よろしくお願いします!」

 続々と本日の出演者が会場入りします。1日長いイベントなので、リハーサルから本番までの間に一度会場を出るかたも少なくありませんが、舞台裏は時間を追うごとに人が増えていきます。

「しかも、音がいい!」

 音をだせるのも今日がはじめて。1年前の下見のときに、音響設備を変えたばかりと言っていたのを思い出しました。想像以上にツヤのある音。そうして、病院の診察のように、名前を呼んでは、順番にリハーサルをすすめていくなか、予期せぬことが起こりました。
「え?まだ来ていない?」

午前中に到着するはずの彼らが、入り時間を過ぎても到着しません。しかも結構な大人数。

「大丈夫かな?」

間違えてリッキッドルームに行ってないだろうか。午前中に到着するはずなのに。彼らを楽しみにしている方も多いので、すみません、今日は登場しなくなったでは通用しません。そんなピンチと向いあっている僕の前で、次々とアーティストが入れ替わっていきます。

「到着しました!」

 チーム・サードウェーブのリハを終えた頃でした。彼らが、ダンボールにはいってやってきました。そうです、到着しなかったのは、タンバリンを持ったクラフトホリックたちでした。どうやら、運送会社の手違いがあったそうですが、まぁ、とにかく間に合ってよかった。

 ロビーのほうも、着々と準備がすすめられています。今回はとにかく、たくさんの椅子が並べられています。幅広い年齢層の方々にお越しいただくので、みなさんのくつろげる空間を目指しました。日本合コン協会の方々が浴衣で登場すると、僕が観光大使をつとめる山梨県の方々や、高速家族のみなさん、みちまる君もやってきました。テラスでは、フリーソーメンの準備も進められていきます。

「晴れてよかった…」

 このテラスが使えるかどうかはかなり重要で、外からこぼれる光、なかからのぞむ景色。まさしく、夏の色彩にうっとりしていると、開場時間が迫ってきました。

「本日は、朝から舞台設営ご苦労さまです。これから6時間と長丁場ですが、どうかよろしくおねがいします!」

 そして、最初のDJが音をだしました。ここから6時間、ノンストップ。Thank you for the musicが、幕をあけました。

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2016年08月21日

第671回「LET’S DANCE」

 42歳になりました。20歳で門を叩き、白いヘアターバンをしていた彼が、20年以上経ったいまもなおテレビ画面のなかに写っているのは、ある意味奇跡。ひとえに彼の努力によるものもあるでしょうが、やはり、みなさんの支えによるものが大きいでしょう。たくさんの出会いによって、彼は、いまもなお、画面のなかで笑っていられるのです。

 いうまでもなく、この世に存在する、すべてのものに出会うことは不可能です。限られた世界のなかで、人は育っていきます。毎日顔をあわせる人、週に一度の人、疎遠になってしまった人。いろんな距離の人がいます。10年に一度会う人。これから出会うひと。一度きりの出会いだって大切です。一期一会。それらすべてが、大事なひかり。

 樹木がたくさんの光をあびて育っていくように、出会った光を浴びることで、人は成長していくのでしょう。成長した幹は、やがて、美しい景色を眺められる位置に到達します。ぐんぐん伸びて、いま、かつてより遠くまで見渡せる位置まで伸びました。

 ここからの眺め。自分の目で見たもの。自分が感じたこと。それこそが、「世界」なのでしょう。

 人生、なんだかんだ、楽しんだもの勝ち。どんな状況であれ、たとえそれが自分のイメージと違っていたとしても、目の前の現実を受け入れて、状況を楽しめる者が勝利する。重量挙げの選手で、成功しても、失敗しても、踊る人がいます。観客たちは、そのパフォーマンスに拍手喝采。もちろん、はかりしれない苦しみや、素晴らしい功績を納めているからこそ、できることではありますが、それを見ていると涙があふれそうになります。成功しようが、失敗しようが、最後は踊る。うまくいこうが、いくまいが、最後は笑ってダンスする。人生は、それでいいのではないのでしょうか。

 LET’S DANCE。成功とか失敗とか、その瞬間の判定は、あくまで瞬間のもの。それとは無関係に時間は流れてゆく。ならば、瞬間の判定に振り回されず、瞬間に引き止められず、時間の流れに乗っていたほうがいい。

 LET’S DANCE。音楽は、時間。人生という音楽のなかに飛び込んで、踊ればいい。身を委ねればいい。周囲の言葉や、過ぎ去った瞬間に惑わされず、前に進む。それができるものこそが、強い人間なのだと思います。

 LET’S DANCE。ただ、身を委ねればいいのです。なにも考えず、理屈のない、音の世界へ。それでは、ガーデンホールで待っています。

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2016年08月07日

第670回「キミにサード・ウェーブ」

 それは、一枚の記事からはじまりました。5時に夢中!水曜日。いつものようにパネルをひっくり返すと、いつものようにくだらない記事が紹介されました。「最近、サードウェーブ系のヤリチンが台頭している」という内容。そうです、東京スポーツの連載コーナー「ヤリチン専門学校」。毎回とりあげているわけではありませんが、このコーナーは番組にとって欠かせない存在。くだらない切り口ながらも、的確な洞察力。そんなわけないだろと突っ込んだり、思わずうなずいてしまったり。それにしても毎回毎回よく思いつくなぁという感じですが、そのとき紹介したのがこの「サードウェーブヤリチン」というもの。

 「サードウェーブ」というのは、最近ではコーヒーショップにまつわる言葉として使用されていました。コーヒーが庶民のものになった第一の波にはじまり、シアトル系のコーヒーショップが台頭した第二の波。そして、最近では一杯ずつ丁寧にいれる「第三の波」。そのサードウェーブ系に足を運んでいる男性たちが見事に同じ格好をしているので、「サードウェーブ系男子」という言葉まで生まれました。そのような現象がヤリチン界にも起きていて、いままでとは違った雰囲気の男性が世の女性と遊びまくっている、ということなのです。

 本来であれば、くだらないなぁと笑って終了なのですが、たまたまその日担当だったのが「アイクぬわら」という黒人男性だったため、ついつい遊びたくなってしまいました。

「THIRD WAVE ヤリチン!」

 THの発音、IRのくだり、そして低いトーン。素晴らしいイントネーションに思わずスタジオが沸きます。それは、コーナーをまたいでも、週をまたいでも、その言葉遊びは続き、すっかり定番化しました。もはや、アイクぬわらのギャグになったのです。本来であれば、ここまででしょう。しかし。


「曲を作りたい…」


思いついたら形にしないと気が済まない性格。イメージを音に変換しはじめました。


「あの、THIRD WAVEヤリチンを曲にしたいんですけど…」


 この言葉の著作者・尾谷氏に確認をしました。そして、あっというまに、THIRD WAVEヤリチンのテーマができました。


「こうなったら、とことんくだらくしちゃおう!」


 ダンサーやコーラスをつけて、ひとつのショーにしてしまおう。それを、ロケフェスでみんなの前で発表しよう。あの日紹介した記事から、ひとつの言葉から、ここまで広がるなんて。やはり音楽があると強い。


「じゃぁ、もう一回やって、今日は終わりにしましょう」


 とある水曜日の夜。都内のダンススタジオにいろんな人種が集まっています。こうしたほうがいいんじゃないかと、真剣そのもの。くだらないことを真剣にやるって、本当にしあわせなことです。そうして、ひとつのエンターテイメントとしてカタチになった、TEAM サード・ウェーブによる「キミにサード・ウェーブ」。ロケフェスで発表しますので、お楽しみに〜!!

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