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2020年04月17日
第830回「自宅でリラックス」
緊急事態宣言に伴い、本格的な外出自粛生活が始まりましたが、皆さんいかがお過ごしでしょうか。ここまで世界的な大きな事象を経験するのは人生で一度あるかないかだと思います。この期間にどのように過ごすかで、人生が大きく変わるのかもしれません。だからと言って、何かしなければならないということでもなく、人それぞれでいいと思います。
3月で「きらクラ!」と「アベプラ」が終了していた状況に加え、「5時に夢中!」もついに休止となりました。「フニオチナイト」に関しては、タダでさえ再放送が多いのに、新たに収録できないので、さらに再放送が増えるようで、まさしく「フニオチ」を感じざるを得ない状況ではありますが、ありがたいことでもあります。「1時間スペシャル」や、「きらクラ!」の最終回を終えてから休止の波が押し寄せたことは不幸中の幸いだったかもしれません。
やはり痛感するのは、「5時に夢中!」がなくなることによって、すっかり曜日感覚を喪失したことです。リズムが崩壊しました。カレンダーなどで目には入っても、体が覚えず、前回はこの「週刊ふかわ」も完全に失念。生活リズムを自ら維持しないと、髪を洗わなくなったり、面倒なことを避け、たちまち堕落してしまいます。
幸い、今時間を割くものがあったので、時間を持て余していることもなく、もともと家にいる時間が好きだったので、苦労はしていないのですが、そろそろ羽を伸ばしたくもなってきます。
そんな中、ふと、一言ネタをやりたくなってきました。なぜだかわからないのですが、頭の中で、フレーズがぐるぐるするようになったのです。「ひとこと工場」が稼働し始めました。そうして、久しぶりにヘアターバンする午後。コントの比ではないものの、自宅でネタをやるというのは抵抗があったのですが、徐々に気持ちのスイッチを入れられるようになりました。どこまで続くかわかりませんが、緊急事態宣言が解除されるまでは続けてみたいと思っています。
先日の「ひるおび!」では、リモート出演を経験しました。最初は戸惑いましたが、かつての衛星中継のようなタイムラグがなく、今後はこういった出演スタイルも増えるのかもしれませんが、画面をじっと見ているので、通常の出演よりも神経は疲弊しました。贅沢をいえば、スタジオにいたいです。空気があるので。
「5時に夢中!」の休止延長も、4月いっぱいは厳しいと思っていたので、それほど驚きはなかったのですが、再開した暁には、これまで味わったことのない感情が溢れそうで、今は、そんな心配をしています。
新たな何かを始める必要はないと思います。本を読んだり映画を見たり。気を楽にして過ごすのが一番。テレビをつけるとシリアスなことばかり。誰もが皆、疲れています。余裕がなくなってしまうと、ちょっとしたことで気持ちが不安定になるので、のんびり在宅時間を過ごしましょう。自宅でリラックス。
PS :次回の「週刊ふかわ」は、5月10日の配信を予定しております。
2020年04月05日
第829回「愛の挨拶」
さて、無事に最後の「きらクラ!」の放送が終了しました。一回前にすでに決壊したので今回は大丈夫だろうと思っていたのですが、ブースに入ってみなさんの言葉を読み、思い出の音楽が耳から入ってくると、心のタンクは瞬く間に一杯になり何度も溢れ出してしまいました。
最後のBGM選手権「わすれられないおくりもの」も、この番組ならきっと成功するだろうと思いましたが、想像以上に素晴らしいものでした。こんな素敵な卒業制作あるでしょうか。しかも一通のメールからこれほど大きな果実が実るなんて。まさに、ラジオの力。本当に多くの人に愛された番組だったと実感。惜しまれながら終了できたのはとても幸せなことだと思います。
8年前。番組がスタートする際の記者会見で真理さんと演奏した曲が「愛の挨拶」でした。もともとよく耳にして好きではありましたが、NHKの「名曲アルバム」でイギリスの街並みとともに聴いた音が深く刻まれていました。それで、チェロとピアノの曲で真っ先に「愛の挨拶」が浮かんだのです。
自分で弾いたことも弾こうと思ったこともなかったのですが、シンプルそうでいて意外と難しく、記者会見ではショート・バージョンで披露した気がします。そんな二人の出会いの曲ということで、番組で使用することになり、途中から遠藤さんのチェロ(多重)バージョンで「きらクラ!」のエンディングを彩っていました。
もし再び「愛の挨拶」を二人で演奏することがあるとしたら、番組が終わるとき。自分の中で勝手にそう思っていました。アルヴォ・ペルトの「鏡の中の鏡」は二人で演奏したことがありましたが、なぜこの曲を演奏することになったのか。番組で聴く前に、オムニバス映画で聴いていたのですが、その時はそれほど心は動かなかったのです。シンプルな分、ひとつひとつの音が際立つ曲。真理さんのおかげで「鏡の中の鏡」の中に入ることができました。複数人で演奏することはあっても、二人で演奏というのはそれだけだったと思います。
番組終了の報告を受けたのは昨年末。徐々に心の中で消化してゆくと、やはり演奏したい気持ちが芽生えました。
「二人で演奏しない?」
真理さんは二つ返事で受け入れてくれました。
そうして二人で演奏することになった「愛の挨拶〜ありがとう、きらクラ!バージョン〜」は、本来クラシックの楽譜に記されていないコードでアプローチしたものでした。いざ録音となると失敗できないプレッシャーで指が固まってしまうのですが、「うたたね」の成果なのか経験なのか、1回目でオーケー。念のために録った2回目の方がミックス状態がいいということで、そちらが放送されました。
電話の保留音やドラマやCM。至る所で耳にする曲。私がよくかける電話先のほとんどが保留音で「愛の挨拶」が流れます。日常のふとしたした瞬間に思い出すのでしょう。卒業があるのなら、いつか同窓会があってもいいのでは。その日が来ることを願っています。