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2009年10月11日

第379回「シリーズ人生に必要な力その21充電力」

「はいいくよー、ハイチーズ!あれ?おかしいなぁ・・・」
「どしたの?」
「あ、充電なかった・・・」
「もう、なにそれー!」
 こんなことってよくありませんか。肝心なときにかぎってデジカメの充電が切れてしまっている。これではせっかくの記念写真なのにとびきりの笑顔が撮れなくなってしまいます。そこで今日ご紹介するのがこの「充電力」。これがあれば、みなさんの人生がとっても豊かになるのです。
 ちょっと周囲を見回してください。充電しなければならないものに囲まれていることに気付くはずです。まず一番身近なものがケータイ。もはや一人一台どころか2台持ってもおかしくない時代、日常生活にケータイの充電は欠かせません。毎日の人もいれば、仕事によっては一日も何度も充電しなければならない人もいるでしょう。行く先々で充電できる場所を探す人や、充電がないと急にそわそわしはじめる人もいるほどです。ノートパソコンも同様に、外で使用する際に必ずしもそこに電源があるとは限らないため、あらかじめ充電しておいたほうがいいでしょう。また、男性ならヒゲを剃っている最中にシェーバーが力尽き、半分しか剃れなかったということを一度は経験しているでしょう。オーディオプレイヤーやゲームなど、そしてこれからは電気自動車の時代です。おそらく家庭用の電源だけでなく街にはガソリンスタンドのように充電スタンドもしくは停めている間にチャージされる駐車場などが目立ってくるでしょう。さらに、家庭で使用する電気を供給するソーラーパネルが普及し、尚一層、日常生活に充電は欠かせないものになるのです。もはや人類は充電する生き物なのです。ただ、今回の充電力は、上記とは一切関係ありません。むしろこんなことに神経を使っているようではよりよい人生を送れないのです。デジカメよりももっと充電しなければならないもの、その前に、ちょっと一息コーヒーブレイク。
 不思議な表現「充電がない」・・・本来「充電」とは電気を補充する行為を意味するため「充電する」「充電しない」と表現するべきですが、「充電がない」という言い回しをよく耳にします。これは正しく言うなら「電池がない」「残量がわずか」であって「充電がない」は少しズレているのです。ただこの表現こ関していちいち目くじらを立てる者もおらず、それでまかりとおるようになったことはまさに、「充電」が私たちの生活リズムに組み込まれていることを証明するものでしょう。
 では話を戻しましょう。ケータイ・デジカメ・ノートパソコンよりも充電すべきもの、それは心です。本シリーズを読んでいる人なら予測できたでしょうが、やはりこれが一番大切なのです。それができなければたとえケータイやデジカメの充電ができていても意味がないのです。
 ただ、心の充電のしかたは人によって違います。友人とお酒を飲んだりゴルフや麻雀をすること、買い物やガールズトークに花を咲かせること、人それぞれプラグを差し込む場所は違うもの。まずは心の充電ができるコンセントの場所を見つけることが大切です。そして、ずっと充電しっぱなしだと電池がおかしくなってしまうように、ずっと充電してればいいというものではありません。年に一度がいいのか、月に一度がいいのかも人によりけり。自分に合ったほどよい頻度でほどよく充電することが望ましいのです。
 人間、なにをするにも心が大切。体が丈夫でも心が病んでいたらうまく動きません。デジカメよりもケータイよりも、心の充電を忘れないでください。充電だらけの時代だからこそ、充電力が必要なのです。
ps:ということで、心の充電に行ってきます。次回、次々回は休載です。

10:42 | コメント (15)

2009年10月04日

第378回「シリーズ人生に必要な力その20相槌力」

 日常生活において会話は最も重要なコミュニケーションです。会話をすることで人は知り、互いに理解しあうもの。人は会話によって繋がり、社会は会話によって広がり、文明は会話によって築かれました。人類はおしゃべりをしてここまでやってきたのです。
 会話はときに言葉のキャッチボールと言われますが、たしかにお互いの言葉を言い合うさまは話題というひとつのボールを投げあっているようです。それだけ、キャッチボールと同様に、相手のことを気遣っていないと思わぬ衝突も生まれてしまいます。相手とうまく会話をするには、相手の言葉をしっかりキャッチすることが第一。社会においては、一方的に自分のことばかり話す人よりも、しっかり話を聞いてくれる「聞き上手」のほうが好まれるのです。うまく質問をして相手の素性を引き出す「聞き上手」もありますが、大切なのは「話しやすい環境を作る」こと。話しやすい雰囲気にする、最小単位のムードメーカーなのです。これによって二人の間に信頼関係が生まれ、会話も弾むことでしょう。昔から「話し上手は聞き上手」といわれますが、相手に伝えることを望むならまずは聞き上手になることが先決なのです。
聞き上手な人たちには共通することがあります。100人中100人の聞き上手が必ず持っているもの、それは相槌です。「相槌を打つ」といいますが、これはもともと刀鍛冶が二人で交互に槌を打つ様子から生まれた慣用表現で、この相槌を打つことこそが聞き上手になるための第一歩なのです。
 たかが相槌と思われるかもしれませんが、的確なタイミングで打つことで「大丈夫だよ、ちゃんと聞いているよ」と話し手に安心感を与え、心の中にある想いを素直に伝えられるようになります。そういう意味で「相槌は心を開く鍵」と言えるでしょう。逆に、タイミングを間違えれば会話が噛み合わなくなり、関係もぎすぎすしてしまいます。会話が弾むも沈むも、相槌次第なのです。
 ただひとえに相槌と言っても実はその種類はたくさんあり、私たちが普段使用しているのはそのごく一部。「うん」「はい」「へぇ」などの言葉を会話に挟む相槌は正式には「平槌」と呼ばれるもので、日本で最も多く耳にするタイプですが、このほかにもいろいろな種類があるので参考にしてみてください。
黙槌・・・声を発さずに適度に頷くこと。これによって話し手はペースを崩さずに安心して話をすることができます。
閉じ槌・・・目をとじて頷くことにより、さらに納得感が強調されます。黙槌と併用することによって話し手に安心だけでなく悦びすら与えることでしょう。
オウム槌・・・相手の言葉尻をうまく拾って口にすることで、会話にリズムが生まれます。ラジオやトーク番組など、会話を第三者に伝える場合によく用いられる相槌です。
クイ槌・・・相手が話し終わる前にクイ気味で打つ相槌を指します。これは上方の漫才師などの間で多く使用されるもので、会話にリズムはもちろん、スピード感がでてきます。ゆったりした日常会話では避けたほうがいいでしょう。
槌返し・・・相手の相槌に対して相槌をすることで、瞬時に話し手と聞き手の立場を逆転させることができます。あなたはどう思っていますか、と投げかけるよりも自然に相手の話を引き出すことができるでしょう。
関根槌・・・相手が話している間、大きく口を開けた満面の笑みでゆっくり拍手をするしぐさを見せる相槌。これによってカメラに抜かれやすくなり、会話に参加している印象を与えることができます。主に、集団でのトークバラエティー番組などで使用すると効果があります。
指槌・・・指をパチンと鳴らすことで、相手のペースを乱すことなく「君の言っていることは正しい」と主張することができます。
殺槌・・・あくびを殺しながら話を聞く状態。これによって相手の話す意欲を喪失させることができます。終わりの見えない話が続いているときに用いれることが多い。
酔い槌・・・酔っ払いながら打つ相槌のことをいいます。
西槌・・・西を向きながら打つ相槌のことをいいます。
越し槌・・・鏡越しに打つ相槌のことをいいます。
パリ槌・・・パリで打つ相槌のことをいいます。
 このほかにもまだたくさんの相槌がありますが、日常会話においては上記だけで充分でしょう。相槌はやさしさであり思いやり。もはや「愛槌」と表記してもいいくらいです。「相槌は打った分だけ帰ってくる」といわれるように、あなたが打った相槌はいつかあなたのところに帰ってきます。また、どんなに完璧なものでも文書だけではなかなかカタチにはなりません。目と目を合わせて会話をすることで、頭に描いたものが現実化していくのです。人類はおしゃべりする生き物。それがとりとめのないものでも重要なものでも、会話はあなたの生活を豊かにします。だからこそ人生には、相槌力が必要なのです。

00:34 | コメント (9)